これまで、次の式のような単項式同士のかけ算をやってきました。
今回からは単項式と多項式、あるいは多項式同士のかけ算について考えます。
まず、単項式と多項式のかけ算です。次のような場合です。
このような式のかけ算をすることを展開するといいます。
展開ができるといろんなジャンルに役立ちます。展開のコツは、計算の原則をつかむことです。先にキーワードを伝えておきましょう。
①分けます⇒②(相手側に)線を引きます⇒③かけます⇒④たします
(③・④は式の数にあわせて繰り返し)
言葉だけだと分かりづらいので、この考えのもとになる分配法則をみておきましょう。
多項式を分けて、左側の式から右側の式にそれぞれ線がひかれ(枝分かれとみてもよいでしょう)、枝分かれの両側の式をかけて、かけたもの同士をたし算しています。
結果的に多項式の各項、b と c に a をそれぞれくっつけている(分け与えている)ので分配法則という名前がついてます。名前は特に気にする必要はありません。計算の原則を覚えてください。では展開していきましょう。
まず、多項式を分けます。+、-のところで分けます。
次に、左側の式から右側の式へ線を引きます。こんな感じです。
あとは、線を引いたところ同士でかけます。
今回は、(①のかけ算)+(②のかけ算)をして計算すればよいです。
イメージはつかめたでしょうか。
なお、次のような(多項式)×(単項式)でも原則は変わりません。
多項式側を分ける⇒線を引く⇒かける⇒たす⇒かける ですね。
慣れてくると、最初の式変形で次のように
とできるようになります。②のかけ算で、マイナスとプラスをかけるからマイナスとなるのが見えているからです。多くの教員はこの説明をすることが多いですが、このブログでは、まず原則の「かけます⇒たします」を大事にします。練習をつめば自然とできるようになるので、原則をしっかり身につけましょう。
では練習問題です。
(練習問題)次の式を展開しなさい。
(答)