元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

√を外すときに気を付けること

 〇√△の形に直す前段階として、素因数分解を前回までしてましたが、ここにきて大切なことを言うのを忘れていました。

 あと2回分あります。期待してた方はすみません。

 ただ、今日出てくるテーマの問題を出してくるケースが増えているので、言っとかなきゃと思いました。

 ところで昔、√の大切な性質として、次のような図で説明したことがありました。

 

 √の中に同じ数が2回かけられてるものがあったら、√の外に(√を外すとも言います)出ますということですが、実は「同じ数」には条件があるのです。次の公式を見てください。

 

 アンダーラインを引いてたところを見てください。

 「a>0のとき」とあります。つまり、+の数でないといけません

 順を追ってみていきます。次の例は問題ありません。

 ←√の中(公式のaの部分)が5(+)の2乗になってるからです。

 次も問題ありません。理由は同じです。

 

 しかし、次の例は間違いです。

 

 公式のaにあたる部分がーなので、そのままー3と持ってきてはいけません。

 では、正しい答です。

 教科書では、a<0(aが-)のときの公式で示すことが多いのですが、個人的には公式より次の方法をおすすめします。

 

 一度√の中身を計算してから、何の2乗となるか(+の数)を考えて直す方法です。

 このパターンの問題は、生徒が機械的に計算することに安易に走らず、きちんと√の性質を理解しているかという視点で出すことが割とあります。

 特に、センター試験から共通テストに変わろうとしていた頃から、思考力・判断力を見る問題として、他の教員もテストで次のような問題を出していました。

 

 (例題)次の①~④の計算過程のうち、間違った計算をしているところを番号で答えなさい。

 

 3=ー3ってとんでもない結論ですが、機械的に「2乗だからその数字で√外せる」に飛びつくと痛い目にあいます。「+の数のときだけ」という点に気を付ければ、この問題の正解は④と分かります。教員によってはその理由を答えなさいと言ってくるかもしれません。その時は、今回述べた公式において、a>0のときにだけ成り立つことを言えばよいです。

 では、この点に注意して問題をやってみます。特に(3)に注意です。

 (練習問題) 次の式を簡単にしなさい。

 

 (答)