元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

象限とOK牧場

 タイトルに「象限」という聞きなれない言葉が出てきました。

 これは「しょうげん」と読みます。

 x軸とy軸で、平面は次のA~D、4つのゾーンに分けられます。

 正方形の折り紙を縦横に1回ずつ折って広げれば、4つの正方形が折り目に沿ってできてます。を想像するとよいかもしれません。(折り目がちょうどx軸、y軸)

   

 そして、A~Dのゾーンにはそれぞれ名前がついています。それが順に、第1象限、第2象限、第3象限、第4象限です。下の図のようになります。

   

 この数字の順番は、右上を第1象限にして、そこから反時計回りに数字が増えていきます。反時計回りに違和感があるかもですが、数学では反時計回りが基本となります。特に数学Ⅱ以降を勉強する人は覚えておくとよいです。

 ところで、第〇象限の下に(+,+)というように( )と2つの符号が書かれていますが、点の位置と、x座標・y座標の符号に関係性があるということです。次の図を見てください。

   

 点Aは、第1象限のゾーンにいます。このことを、Aは第1象限の点といいます。

 ここでAの座標を見ると(3,2)です。x座標もy座標も+ですね。

 その他の点も第1象限の点なら、すべてx座標もy座標も+になります。逆に、x座標もy座標も+になる点なら、その点は第1象限の点ということもできます。

 第4象限の(+,-)はx座標が+、y座標が-になっているということです。実際、点B(2,ー4)は第4象限の点で、前述の条件を満たしています。

 なお、点Cのように軸上の点は、第〇象限の点とは言いません。原点も同様です。

 ここまで言っておいて、

 

 ところで皆さん。

 突然ですが「OK牧場」って知ってますか?

 プロボクシングの元世界チャンピョン、ガッツ石松さんの愛用語のイメージが強いかもしれません。

 ただこの言葉は、心理学用語にあります。

 自分や他人をどうとらえているかという状態を、次の図のように、自分軸・他人軸をクロスさせてできた4つのゾーンのうち、今の自分はどうとらえているかに使われます。

   

 理想は、第1象限の位置にあたる「自分も相手も受け入れられる、OK」というともに+の関係ですが、自分の状況によって、第2象限の位置にあるような自分をさげすんでしまったり、第4象限の位置にあるような他人を見下す気持ちになるかもしれません。

 ここで大事なのは、「自分も相手もOKでないといけない」わけではありません。あくまで、今の考え方にこういう傾向があるかなあと考えて、じゃあひととどういう接し方をしたらいいかな。と考えるきっかけになればいいだけです。ちなみに私は臨床心理士の端くれですが、理想的な心の持ちようになったことはほとんどなく、「私はOKでない、あなたはOK」でものをとらえることが多いです。

 象限の話から心理学の話にいきましたが、数学で学んだことと普段の生活の間につながっているものがある。と少しでも思っていただけたら幸いです。

 

 


 


 

 

平面座標の点のとり方(2)・方眼がない場合

 前回説明した通り高校数学では、グラフをかきなさいと言われたとき、方眼を使うことはほとんどありません。

 ですので今回は、方眼のない状態での点のとり方を説明します。

 なお、このかき方(特にかく順番)は私の見解です。他の教員は違うかき方を言うかもしれません。そのときはすみません。

 あと、かくときには最初、定規を準備しておき、1目盛り1cm分など基準を持っておくとよいでしょう。慣れればフリーハンドでもかけるようになります。

 

 では、点(3,2)をとってみます。①以外は、そのステップでする部分が赤で示しています。

 ①まずは、x軸、y軸、原点Oをかきます。(座標の考え方が横→縦なので、x軸からかくほうがよいです)

   

 ②次にx座標の数字を読みます。x座標は3ですので、原点から右に3(cm)のところに目印をつけて、その数字(3)をかきます。

   

 ③目印をつけたところから、縦方向にy座標2(cm)の分進み、その地点に点をかきます。

    

 ④とった点から、x軸方向、y軸方向に点線で垂線をかき、y座標の数字をかきます。完成です。

    

 点以外に必要なものは、x座標とy座標の数字、あと点からx軸、y軸方向にのびた点線です。点から伸びた点線の先に数字をかくと思っていただければOKです。

 なお、次のようにどちらかの座標が0の場合は、0でないほうの座標の数字だけ書けばよいです。例を出します。

 

 (例1)(ー2,0)

  

 x座標が0でないので、x軸上にx座標がー2となるところ(原点から左に2)に点をとり、x座標の数字ー2をかけばよいです。

 (例2)(0,ー4)

  

 y座標が0でないので、y軸上にy座標がー4となるところ(原点から下に4)に点をとり、y座標の数字ー4をかけばよいです。

 なお、原点(0,0)をとるときは、x軸とy軸の交わった(十字のところ)に点をとるだけでよいです。数字の記入は必要ありません。

 この説明で点はとれそうでしょうか。

 なお、数直線のように1目盛りずつ目印をつけなかったですが、これは、座標の数字が大きくなることを想定してかきませんでした。(次の図のようなグラフなど)

   

 y軸に25目盛りかくのはしんどいですからね。

 あとグラフは、必要な点の座標の数字がかけていればよいので、その点からも方眼や細かすぎる目盛りを使わないというところがあります。慣れるまでは大変かもしれませんが、今日の内容を参考に、方眼がなくても点をとれるようにしましょう。

 

平面座標の点のとり方(1)・方眼がある場合

 座標の読み方を学んだので、今度は点を図示する方法です。

 原則は変わりません。

 ①横(x座標)→縦(y座標)の順に動く。

 ②+となる方向(x座標→右,y座標→上)を覚えておく。ということです。例を見てみましょう。まず、A(3,2)です。

 大事なことは、x座標とy座標の符号を確認して、原点からどちらの方向に動くかをおさえることです。x座標・y座標ともにーがついてないので、+ということが分かります。念のため、符号もつけて動く方向を分かりやすくしましょう。

   

 まず前の数字、x座標の符号は+ですから右、数字が3ですから、右に3目盛り進みます。最初は下の図のように、原点へ指をおいて、右に3目盛り進めてもかまいません。(図はイメージです)

   

 これに続いて、後の数字、y座標の符号は+ですから上、数字が2ですから、上に2目盛り進みます。下の図のように、同様に指を使って動かしてかまいません。

 最後に移動したところに点とAをかいて完成です。(下図参照)

  

 

 なお、答としてはこれで問題ないですが(今日の練習問題もこの形で答えてよいです)、今後はこのような方眼がある形で座標をとらないケースが圧倒的に多いので、次の図のように、かいた点からx軸方向、y軸方向へ垂直な点線(赤点線と青点線のことです)をかいておくと、次のステップにスムーズにつながると思います。

   

 今後は次のような形(次図参考)になるということです。今は、こういう感じで対応する数字や点線をかくんだな。というイメージでかまいません。別の機会に書きます。

   

 もうひとつ、今度は軸上の点の練習をしてみます。B(0,ー2)の場合です。

 まず前の数字、x座標は0なので横方向には動きません。最初は下の図のように、原点に指をおいてもよいでしょう。

   

 これに続いて、後の数字、y座標の符号はーですから下、数字が2ですから、下に2目盛り進みます。もちろん、指を使って動かしてかまいません。

 最後に移動したところに点とBをかいて完成です。(下図参照)

   

 

 なお、y座標が0の場合は、横方向に動かしたところに点をとればよいです。(練習問題でやってみます)また、方眼を使わない場合の点のとり方は、下の図のようになります。0でないほうの数字をかけばよいです。点線は不要です。これも今は、こういう感じでかくというイメージを持つだけでよいです。

   

 では、点を図示する練習問題です。今日は、方眼がある形でかいてみましょう。

 (練習問題)次の各点の座標を図示しなさい。

 A(1,3),B(ー1,1),C(ー2,ー1),D(2,ー3),E(-3,0),

 F(0,2)

   

 

 (答)

   








 

横→縦の考え方を使う例

 座標は、横→縦の順で考えるということを言ってきましたが、普段の生活の中にも、横→縦の順番で考えるものが多いという話をしたいと思います。

 

 自分の趣味の話で恐縮ですが、将棋についてです。次の図を見てください。

 将棋の盤と駒があって、上と右にそれぞれ数字が書いているのがお分かりでしょうか。(なおこれは実際の将棋盤ではなく、将棋のデータ管理に使われるソフトから引用しています。Kifu for Windowsです)

 

    

 みなさんの中には、将棋のテレビ番組などで、「先手、2六歩」など駒が動いた場所を読み上げる声を聞いた方もいるかと思います。これは、どう駒が動いたかというのが分かるようにするためのものです。(棋譜といいます)

 将棋のプロや、アマチュアの高段者なら、盤に駒を並べなくても、この棋譜を聞くだけでどう駒が動いたかを、脳内で再現することができます。棋譜を聞いてその結果、盤面がどうなりましたかと言われても、盤に並べられます。

 図は、飛車の前の歩を1マス動かした状態ですが、この状態を示すのに、横に並んだ数字・2のところと、縦に並んだ漢数字・六のところの重なった地点(歩が白くなっています)に歩が動いたので、「2六歩」と表現します。

 横→縦の順で読んでいることが分かります。

 

 次は、皆さんも授業等で使う表計算ソフトの画面です。

 

 四角で囲まれているセルはC2セルとなりますが、やはり横のアルファベット→縦の数字という順で読むので、ここも「横→縦」の原則は守られています。

 今回はあげませんでしたが、数学で用いられる多くの例で、横→縦の順に考えるというものは多いです。他にも横→縦の順で考えるものはあると思うので、見つけてみてはどうでしょうか。

 


 

 

 

座標の見方(2)・x軸上・y軸上の点の表し方

 点を座標で表すやり方を、前回話しました。

 基本を復習します。

 

 ①横,縦の順でみる。横がx座標、縦がy座標。

 ②x座標は原点より右が+,左が-、y座標は原点より上が+,下が-。

 ③(〇,△)のように数字を( )で囲む。

  

 念のため確認したい方は、↓ を見てください。

座標の見方(1)・基本形 - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

 

 今日は、少しこれまでと違った例を見てみましょう。下図を見てください。

  

 点Aはx軸のところ、点Bはy軸のところにあります。

(それぞれ、Aはx軸上、Bはy軸上にある。と言います)

 このような場合も、横→縦の順にみるという原則は変わりません。Aからいきます。

 原点からAに行くには、横に右方向(+)に3目盛りです。x座標は3です。

 次に縦方向ですが、動かす必要はありません。

 動いてないときは0にします。したがって、y座標は0です。

 組み合わせて、A(3,0)となります。

 

 次にBです。

 まずは横方向。原点からBに行くために、横へ移動する必要はありません。

 動いてないときは0にする、ですのでx座標は0となります。

 次に縦方向です。下(ー)に2目盛りですので、y座標はー2です。

 組み合わせて、B(0,ー2)です。

 

 点がx軸上、y軸上にあっても、横→縦の順に読む、動かないときは0。の原則をおさえれば大丈夫です。では、軸上の点の座標を答える練習です。

(練習問題) 次のA~Dの点の座標を答えなさい。

   

 

 (答)A(4,0),B(0,2),C(ー1,0),D(0,ー3)