元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

y=ax^2+qのグラフ(1)・縦方向への移動を理解しよう

 いよいよ、基本形にオプションがついてきます。

 まずはy=2x^2+3のように、2乗の式の後ろに数字がついてくる場合です。

 この関数のグラフはどうなるのかを考えるため、さっそくx=ー2,ー1,0,1,2のときのyの値を計算してみましょう。代入。xを( )に変えて…のやつです。

   

 あえて途中も残してみました。y=2x^2のときと比較すると何らかの関係が分かるかもしれません。表にしてみましょう。

   

 同じxの値について、上のy=2x^2と下のy=2x^2+3とのyの値を比べると、すべて上より3だけ大きいことが分かります。計算結果のところで、青四角で囲んでいるところに着目するとよいでしょう。

 また、y=2x^2+3のyの値の変化を見ると、x=0のところを軸として左右対称になっているようです。ということは、これまでかいてきたy=ax^2のグラフと同じ性質を使いながらグラフがかけそうです。点をとってグラフをかいてみましょう。

   

 黒のグラフが、これまでかいてきた基本形、y=2x^2のグラフ。赤のグラフが今回のy=2x^2+3のグラフです。

 ここで、黒のグラフでの頂点(x=0)、x=-1,1のときの点と、赤のグラフでのx=0,ー1,1のときの点をそれぞれ比べると、すべて黒の点より赤の点のほうが3だけ上に移動していることが分かります。

 そしてその3は、y=2x^2+3の3、赤のグラフの頂点の座標(0,)にどうやら関係していそうです。では、この3のところを別の数字に変えてみるとどうでしょうか。今度はマイナスの数字にしてみましょう。ということで、次の式は、

 y=2x^2ー1です。

 これもいったん、x=ー2,ー1,0,1,2のときのyの値を調べてみましょう。

  

 一緒に、y=2x^2のときとの値の変化を比較して表にしてみましょう。

  

 同じxの値について、上のy=2x^2と下のy=2x^2ー1とのyの値を比べると、すべて上より1だけ小さいことが分かります。また、yの値の変化を見ると、x=0のところを軸として左右対称になっているようです。

 なので今度は、y=2x^2ー1のグラフは、y=2x^2のグラフの各点を縦に1だけ下にずらせばよさそうです。グラフは下のようになります。

 黒のグラフがy=2x^2,青のグラフがy=2x^2ー1のグラフです。

  

 矢印でずらしている点は3点ですが、y=2x^2上の各点を1だけ下にずらせば、y=2x^2ー1のグラフになっていることが図で表されています。

 このようにグラフをずらすことを、グラフを平行移動させると言います。

 ですのでこの場合は、y=2x^2ー1は、y=2x^2のグラフをy軸方向にー1平行移動したと言います。縦の移動のことを「y軸方向」と言います。後に出ますが、横方向へ移動したときは、「x軸方向」へ平行移動したと言います。

 2つのグラフの例を見ると、y=ax^2の後ろに数字がついた形、一般的には、

y=ax^2+qという書き方をしますが、このグラフをかくときは、y=ax^2のグラフをy軸方向に平行移動してかけばよさそうです。

 今回は下に凸の例をやりましたが、上に凸の場合はどうなのでしょう。

 それは次回に述べたいと思います。

 

y=ax^2のグラフ(6)・x軸に関して対称なグラフ

 今日の内容は、少し応用的な部分もありますが、教科書によっては触れているものもあるので補足しておきます。タイトルにもあるように、「〇〇に関して対称」という話です。

 問題としては、~のグラフとx軸に関して対称なグラフの式を求めよ。という感じで出されます。一見難しそうですが、点の関係を理解しておくとよいです。まずは、次の(図1)を見てください。

 (図1)

  

 A~Dの各点の座標をみてみます。

 A(3,2),B(3,ー2),C(ー3,2),D(ー3,ー2)です。

 ここで、AとBの関係を見ると、互いにx軸に関して上下(線)対称になっています。

 さらに座標を比較すると、AとBは互いにx座標が同じで、y座標の符号が異なっていることが分かります。つまり、点が与えられて、その点とx軸に関して対称な点を求めなさいと言われたら、y座標だけ符号を逆にしたらよいことになります。

 実はグラフでも同じで、グラフが与えられて、そのグラフとx軸に関して対称なグラフを答えよ。と言われたら、もとのグラフの式のyを(ーy)に変えて整理したらよいのです。グラフがもともと点の集まりなので、その点をすべて移動させればよいからと考えるからです。例をあげます。

  

 では、実際のグラフで見てみましょう。次の(図2)を見てください。

 (図2)

   

 赤のグラフと、赤の点線のグラフのように、同じ色の線と点線のグラフがx軸について対称、つまりx軸で折り返したら重なるということが言えます。

 ここで、x軸に関して対称な互いのグラフのxの2乗の係数を見ると、例えば赤でみれば、2とー2のように絶対値が等しく符号が逆ということが分かります。黒と青でも同様ですね。

 ちなみに、y軸に関して、原点に関して対称のグラフ…は今は置いといて、点の座標は(図1)に戻ってもらえるとお分かりかと思います。AとCの関係がy軸に関して対称ですが、x座標だけ符号が逆になっていることが分かります。また、AとDの関係が原点に関して対称ですが、互いにx座標、y座標とも符号が異なることが分かります。

 ~に関して対称なグラフは?と尋ねられたら、点の関係からどう文字を変えたらよいかを考えるとよい。という感覚を知っておけばよい。とだけ言っておきます。

 次の内容から、本格的な2次関数。いろいろ式にオプションがついてきます。

 しかし、頂点(軸)はどこか、グラフの形は上に凸か下に凸か。をおさえれば理解は可能です。難しくなりますがこの点をおさえて取り組んでいきましょう。


 


 


 

y=ax^2のグラフ(5)・実際にかいてみよう(2)

 前回のグラフの続きです。

 このあとに練習問題もあるので、この機会に2次関数の基本形のグラフについて理解していただければ嬉しいです。

 まずは、しつこいようですが、y=ax^2のグラフの性質をもう一度復習します。

  

 特に、頂点が原点(0,0)であること・どちらに凸かをおさえておきましょう。

 では、今回は上に凸のグラフの例です。問題とグラフをかく準備の部分をいっぺんに示します。

   

 ①まず、頂点をおさえます。xの2乗の係数に関係なく、y=ax^2の場合は頂点が(0,0)ですね。

 ②軸の方程式は、頂点のx座標と同じ数字を使って、x=0です。問題が「グラフをかきなさい」だけの場合は求める必要はありません。

 ③xの2乗の係数が-1/2とマイナスなので、上に凸のグラフであることをおさえます。形(向き)をおさえる点で重要です。

 ④頂点のx座標が0なので、x=1のときのyの値を調べればよいです。この問題のように、xの2乗の係数が分数の場合は、分母の値を代入する方法もあります。このケースだと分母が2なので、x=2のとき、y=ー1/2×(2)^2=ー2と座標がともに整数の点をとることができるからです。(約分できる)このブログでは、頂点のx座標が0のときは、x=1のときのyの値を調べる。という原則でいきます。

 では、この準備をもとにグラフをかきます。まず、頂点の原点をとります。(図1)

 (図1)

    

 頂点以外の点、④で求めたx=1のときy=-1/2となる点をとります。(図2)

 座標を示す数字はきちんと書いておいてください。(赤数字)

 (図2)

    

 グラフは上に凸なので、頂点のところで山になるようにして、とった点をつなげれば完成です。(図3)

 (図3)

   

 なお、(図3)のようなつなげ方に不安があれば、前回述べたx=ー1のときのyの値(軸x=0でx=1と対称なので、y=ー1/2)をとる。あるいは、上に凸ということは分かっているので、次の(図4)のように、頂点のところで上に凸の形を作っておいて後からつなげるという方法もあります。私が教えていたのは後者の方法です。

 (図4)

    →このあと線を伸ばす。(図3)のように

 グラフをかくための準備、かく手順は理解できましたか。

 では、y=ax^2のグラフの練習問題です。

 次のステップにもつながるので、頂点の座標、軸の方程式、グラフが上に凸か下に凸かはおさえておいてください。また、こちらが用意する解答は頂点以外の1点も求めているので、その点はご了承ください。

 (練習問題) 次の2次関数のグラフをかきなさい。また、①頂点の座標、②軸の方程式、③グラフが上に凸か下に凸か、を合わせて求めなさい。

 

 

(答)

  



 

 


 

 

y=ax^2のグラフ(4)・実際にかいてみよう(1)

 今日はこれまでの記事を参考に、2次関数の基本形、y=ax^2のグラフをかいてみましょう。まずは、y=ax^2のグラフの性質をもう一度おさえておきます。

  

 2次関数のグラフをかく際、肝になるのは頂点です。

 一般的に2次関数のグラフは、通る点が3点決まるとかくことができます。

(直線では通る2点が決まればかけます)

 ですが、頂点が決まると、あともう1点通るところが分かればかくことができます。

 理由は、頂点を軸としてグラフは左右対称ですので、頂点以外の1点と左右対称になる点が自動的に決まり。通る3点が決まるからです。次の図をイメージするとよいです。図は、頂点が原点の下に凸のグラフを例に挙げていますが、上に凸のグラフでも、今後出てくる、頂点が原点でない場合も、2次関数・放物線のグラフならこの原則は変わりません。

    

 これで、2次関数のグラフをかくときにとるべき点のイメージはつかめましたか?

 それでは、先にお断りしておきます。

 今後グラフをかく際の説明は、私が現役時代に説明していた形に合わせます。

 ですので、この記事を見ている方にとっては、「自分が教えてもらってるやり方と違う」と思われて当然です。ですので、自身で納得できて取り入れられる部分に着目していただけたらと思います。(数学的に問題ないようには気をつけます)

 では、下に凸のグラフになる例をやってみます。

 

 私の場合は、グラフをかくときには次のような項目を書いて、これをもとにグラフをかいていました。一種のパターン化です。それを見せてその後説明します。

 

 まず①。これは頂点の座標です。これはグラフの肝なので書いておきたいです。

 この問題では、y=〇x^2の基本形ですから、頂点は原点(0,0)ですね。

 次に②の軸(の方程式)。グラフに軸は記入しないので、解答に示す必要はないですが、後に「軸の方程式を答えよ」という問題が頻出するので、その練習も含めて書いてあります。ポイントは、頂点のx座標と、軸の方程式x=△となる数は等しいです。

 次に③の下に凸か上に凸かをおさえるのは、形が定まるという面で重要なので、書くことをおすすめします。理由は、せっかく頂点と他にとる点の計算は合っているのに、どちらに凸かが逆になっていて誤答となる解答を多く見てきたからです。裏を返せば、どちらに凸かがおさえられていたら、誤答は格段に減らせます。この問題では、xの2乗の係数3は+ですから、下に凸ですね。

 最後の④は頂点以外に通る点を求めます。頂点が原点(広く言うと、頂点のx座標が0のとき)なら、x=1のときのyを求めるのが良いです。この例では計算していますが、これまで学んだ通り、計算しなくてもx=1のときのyの値は、xの2乗の係数なので、いきなりx=1のときy=3としてよいです。

 では、これだけの準備をしてグラフをかいていきます。まずは頂点をかきます。今回は原点をとればいいです。(なお、新しくやる作業を赤、済んだ作業は黒で示します)

   

 次に、頂点以外の点をとります。x=1のときy=3ですので、(1,3)をとります。

   

 あとは、下に凸のグラフですので、頂点のところで底にして、さっきとった頂点以外の点を通るように放物線をかけば完成です。

   

 なお、この2点でかくのが不安なら、x=1と対称の点x=ー1のときy=3をとってからかくと、より安心だと思います。

 項目①~④をおさえて、頂点、もう1点、(対称の点)、どちらに凸かをおさえてかくという流れはつかめましたか?

 本来なら、上に凸の例も書きたかったのですが、長文になったので、次回に回してそのとき練習問題もしたいと思います。

 


 

y=ax^2のグラフ(3)・a<0のとき

 2次関数のグラフの基本形、y=ax^2のグラフで、xの2乗の係数aが-になるケースです。かいていくグラフは、次の関数のグラフです。

  

 この関数も、これまで同様左右対称のグラフになるのでしょうか。x=ー2,ー1,0,1,2のときのyの値を計算して表にしてみましょう。

  

  

 やはり、x=0のところを軸にして、yの値は左右対称になっています。

 また、x=1のときのyの値ー2は、与えられた関数のxの2乗の係数と同じです。

 では、点をとってグラフをかいてみましょう。

   

 xの2乗の係数aが+のときと同様、頂点が原点、y軸を軸として左右対称になっています。ですので、xの2乗の係数aの値が+でも-でも、原点を頂点としたグラフがかけそうです。

 では、他のグラフをかく前に、この機会に覚えてほしいことを学んでおきましょう。

 上のグラフの図で、軸は青い点線でかかれています。実はこの直線を方程式で表す方法があります。青い直線上の点A,B,Cと原点の座標をみてみましょう。

 すると、A(0,1),B(0,ー2),C(0,ー5),O(0,0)です。

 その他、軸(青い点線)にある点どこをとっても、x座標はすべて0になります。

 そこで、この軸の方程式をx=と表します。

 また、軸の方程式として使われた数字は、頂点のx座標と必ず同じ数字になります。

(今回の例なら、軸x=と頂点(,0))軸上に必ず頂点があるので、x座標が等しいのは明らかです。この性質は今後もよく使うので覚えておいてください。

 では、他のa<0のグラフを見てみます。さっそく、x=ー2,ー1,0,1,2のときのyの値を計算して表にしてみましょう。

  

 やはり、x=0を軸にして、yの値は左右対称になっています。

 今回は印をつけていませんが、x=1のときのyの値が、xの2乗の係数と等しいことが分かると思います。では、まとめてグラフにしてみましょう。

   

 すべて、頂点が原点(0,0)、対称軸はy軸なので、軸の方程式はx=0。

 a>0のときと、頂点・軸は同じです。

 a>0のときと違うのはグラフの形です。a<0のときは、すべて頂点がグラフの上側に来ています。上がとんがっている形ですね。ですので、このグラフの形を上に凸といいます。

 また、4つのグラフを比べると、aの値の絶対値が大きいほどグラフの開き具合が狭くなっています。

(狭い順にaの値:ー3→ー2→ー1→ー1/2:絶対値にすると3→2→1→1/2)これも、a>0のときと同じ特徴ですね。

 では、y=ax^2のグラフについてまとめましょう。

 

 このことをおさえると、y=ax^2のグラフをスムーズにかくことができます。次回から本格的にグラフをかいていきます。もちろん、方眼なしでかけるようになりますので、期待していてください。