元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

2023-01-01から1年間の記事一覧

日常生活に出てくる逆と裏を使った言葉(2)

日にちがすごく空きましたが、前回のブログ(↓)の続きです。 日常生活に出てくる逆と裏を使った言葉(1) - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」 3 逆に言えば・裏を返せば これらは、まず「~なのは~が理由」などなんらかの結果が出たこと…

日常生活に出てくる逆と裏を使った言葉(1)

これまで学んできた「逆・裏・対偶」は、日常生活でも使われることがあります。 対偶が使われることはほとんどありませんが、逆と裏は使われるケースがあります。今回はその紹介です。ただし厳密な集合の理屈ではなく、こういう考え方として多く使われるよね…

逆・裏・対偶(4)・対偶を使うと便利な場面

ここからは、命題に関する応用編およびコラム的な話題を述べたいと思います。 ですので、今回話す問題がさっと解ける方は、欠点の心配はゼロです。 今後、命題に関する練習問題もありません。 今日のテーマは、命題の真偽を判定するとき、対偶を使うと苦労が…

逆・裏・対偶(3)・対偶を使って真偽を答える

今日は、もとの命題と対偶の真偽が一致することを利用して問題を解きます。 まずは前回の復習、逆・裏・対偶の関係図と、どこの真偽が一致するかを確認しておきます。 真偽が必ず一致するのは、もとの命題と対偶、および逆と裏 では、例を用いてやってみまし…

逆・裏・対偶(2)・もとの命題と対偶の真偽が一致

今日は、前回話した真偽の判定に便利な発想の話です。 まず、逆・裏・対偶の作り方の確認です。 ここで、q⇒pの立場からみると、p⇒qはp,qの順番を入れ替えたので、q⇒pの逆になります。 また、q⇒pはp⇒qの逆ですから、p⇒qとq⇒pは互いに逆の関…

逆・裏・対偶(1)作り方

集合と命題のテーマも終盤に近付いてきました。 今回のテーマは、「逆・裏・対偶」です。 日常生活では、「逆に言うと」とか「裏を返せば」などと使われることがあります。 今日は、「逆・裏・対偶」の作り方だけ話をします。その真偽については、覚えておく…

必要条件・十分条件の答え方に迷ったとき(余話)

今日は、おまけの話です。練習問題はありません。 私が現役教員だった頃、この必要条件・十分条件の問題で生徒から言われていたことの一つに、 「真偽は分かっても、必要条件か十分条件かどっちだったか忘れる」 というものがありました。(一方だけ真のケー…

同値と必要条件・十分条件の練習問題

前回投稿から時間がたってしまいましたが、必要条件・十分条件に関する練習問題です。 ですがその前に、前回話した「同値」について補足説明します。 条件pと条件qにおいて、p⇒q,q⇒pがともに真のとき、pはqであるための必要十分条件と言い、またp…

必要条件・十分条件に関する問題の解き方

では、必要条件か十分条件かを求める問題の練習をしてみましょう。 まずは、必要条件・十分条件とは何だったかの復習です。 なお、p⇒q、q⇒pがともに真だった場合、pはqであるための必要十分条件と言います。(別の言い方だと、pとqは同値と言います…

必要条件・十分条件の身近な使用例(2)・推薦入試の条件から考え方を学ぶ

必要条件・十分条件について、定義を示したのちに、もう少しみなさんにかかわりが深そうな話題で伝えていきたいと思います。 まず、必要条件・十分条件とは何かを定義します。 なんのこっちゃ。しかもわけ分からないのに覚え方イメージだと?と思った人もい…

必要条件・十分条件の身近な使用例(1)・スポーツ

今日から新しい内容、「必要条件・十分条件」について学びます。 この内容は入試、特にセンター試験(現共通テスト)に必ずと言ってよいほど出題され、正解するにはそこそこ手順を踏んで各ステップをクリアしなくてはならないので、最近言われるコスパ・タイ…

p⇒q型の命題の真偽(5)・練習問題

今日はタイトルの通り、練習問題です。 これまでのブログの内容を参考に解いてみてください。 分かりにくいなと思った人は、前回のブログ ↓ を参考にしてみるとよいです。 p⇒q型の命題の真偽(4)・真偽の判定率を上げるコツ - 元数学教員・奉孝先生の「…

p⇒q型の命題の真偽(4)・真偽の判定率を上げるコツ

今日は練習問題はありません。 今日までの内容を参考にして、次回に練習問題を解いていただけたらと思います。 今日の内容は、真偽を判定するときにこの考え方を知っておくと、正解率が上がるよ。というポイントの話です。ただし、ざっくりとしたイメージで…

p⇒q型の命題の真偽(3)・反例の見つけ方

今日は、命題が偽であるときの反例の見つけ方の話です。 この問題が解けるようなら、命題の内容はかなり分かっていますし、欠点ぎりぎりの心配など無用です。 まずは、反例とは何かの確認です。 反例とは、p⇒q型の命題が偽のとき、pはみたすがqをみたさ…

内容はわかりますか?

これまで、150記事くらい数学Ⅰの内容について書いてきました。 楽しそうな写真などほぼないし、内容も数学という学生時代に苦手な科目ワースト上位に来ることにもかかわらず、ブログを読んでいただきありがとうございます。 さらに最近は、このブログに☆をつ…

p⇒q型の命題の真偽(2)・偽の場合と反例の基礎

今日は、命題が偽となる場合について説明をし、前回学んだ部分集合の考え方を使って真偽を判定する練習をしようと思います。 まずは、前回の復習です。 p⇒qの形の命題が真になるときは、条件pをみたすものの集合(本来は真理集合といいます)をP、条件qを…

p⇒q型の命題の真偽(1)・部分集合の考え方で判定する

今日から本格的に、命題の真偽の判定をやっていきます。 ただ、「2は偶数である」とか「1は素数である」のような、単純な○×問題はほとんど出ません。(どうしても点を取らせるという意味合いで出すかもしれませんが、「なめとんのか」と思う生徒もいるでし…

条件の否定(4)・「すべて」と「少なくとも1つ」の否定

条件の否定としては少し面倒ですが、この考え方を知っておくと、特に数学Aの確率の分野「余事象」というところで役に立つので書いておきたいと思います。 ちなみに余事象の意味ですが、「~する確率」に対して「~しない確率」を求めるとき、もとの余事象の…

条件の否定(3)・「かつ」「または」の否定(2)・実践編

前ブログ「かつ」・「または」の否定の実践編です。 まずは、「かつ」「または」が含まれる条件の否定をつくるポイントを確認します。 「かつ」あるいは「または」の前後の条件をそれぞれ否定し、「かつ」と「または」を入れ替えるとできます。特に、「かつ…

条件の否定(3)・「かつ」「または」の否定(1)・考え方のもと

今回の内容は、まず実用例を見せてイメージさせることから始めます。 そのため、実際の問題練習は次回のブログに書きます。 ですので、今日は考え方をしっかり身につけてください。 では、こちらで状況を作ります。 あなたは、ある資格を取るための試験を受…

条件の否定(2)・範囲

条件の否定の作り方、今回は範囲です。 xは1より大きいとか、3以下などです。では、さっそく次の条件の否定を作ってみましょう。 「x>4」 文章にすると「xは4より大きい」だから、否定は「xは4より小さい」。すなわち式にして、「x<4」とやりた…

条件の否定(1)・基本形

命題とは数学の〇×クイズのイメージ、という話を前回しました。 そして、数学となると文字の入った式が出てきます。 例えば、x=3とかa>0など等号や不等号の入った式、xは素数など、文字に数字をあてはめると、その数字に応じて言っていることが正しい…

数学界の〇×クイズ・命題とは

今日から数学の論理的な考え方のもととなる「命題」のジャンルに入っていきます。 新しいジャンルですが、これまで学んだ集合の考え方などに共通しているところもあるので、うまく活用してください。 それでは、まず「命題」とは何かを説明します。 数学の世…

全体集合と補集合(3)・ド・モルガンの定理

今日は、前回のブログの最後に書いた、答が同じになる不思議の話です。 この話は発展の部分に入るので、「ふ~ん」と読み飛ばしても問題ありません。 ただ、教科書に載ってなくても話をしたりする教員もいたり、教材で使われる問題集に載っていたり、この知…

全体集合と補集合(2)・似て非なる形

まともに数学の記事を書いたのは約1か月ぶりになります。 みなさん、補集合のことは覚えてますでしょうか。 私の更新が遅れたせいで忘れたという方も含め、確認したい方は ↓ を見てください。 全体集合と補集合(1)・補集合とは - 元数学教員・奉孝先生の…

2週間かけてやってたこと

2週間ぶりの投稿です。 前回のブログ ↓ で、どうしてもやっておきたいことがあると言っていましたが、先日の日曜日に終わったのでその話をしておきます。 1000アクセスされたけれど… - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」 どうしてもやってお…

1000アクセスされたけれど…

タイトルの通り、このブログに1000アクセスをしていただきました。 先月終わりの話です。 高校数学という、苦手な人にとってはきつい内容のこのブログを読んでいただいてる方には感謝しかありません。 なのですが、 現在、どうしてもやっておきたいことがあ…

全体集合と補集合(1)・補集合とは

今日から補集合についてやっていきます。 補集合とは、すごくざっくり言うと「~でない」集合です。 「部活動に入っていない生徒の集合」とか「奇数でない数の集合」とかをイメージしてもらうとよいです。 ですが、数学で補集合を考えるには、基準となる「全…

2つの集合の関係(2)・部分集合の今後の活用法

前回に続く部分集合の活用法②、今回は次のジャンル・命題との関連性です。 命題の予習のつもりで聞いておくと、次につながると思います。 (なお、集合の話はまだ続きます。全体集合と補集合の話が必要なので→次回以降に説明します) 命題とは、ざっくり言う…

2つの集合の関係(2)・部分集合の昔話

まずは、部分集合の復習をしておきます。 集合Aの要素がすべて集合Bの要素であるとき、集合Aは集合Bの部分集合といい、A⊂Bで表します。この「すべて」というところは今後も出てくる考え方として大切です。Aの要素の中で1個でもBに入っていなければ。部分集…