元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

日常生活に出てくる逆と裏を使った言葉(1)

 これまで学んできた「逆・裏・対偶」は、日常生活でも使われることがあります。

 対偶が使われることはほとんどありませんが、逆と裏は使われるケースがあります。今回はその紹介です。ただし厳密な集合の理屈ではなく、こういう考え方として多く使われるよね。というイメージとしてとらえてください。

 

 1 逆は必ずしも真ならず

 命題p⇒qが真でも、逆のq⇒pが真でないケースがあったと思います。

 そのことを意味する言葉ですが、日常生活でもこのようなケースがあります。

 例えば、何かいけないことをして(例:提出物を出していない)教員に呼び出されたとしましょう。

 すると、いけないことをした⇒教員に呼び出される が成り立ちます。

 たいていの教員は、生徒がいけないことをしたら指導するために呼び出しますので。

 しかし逆の、教員に呼び出される⇒いけないことをした は、必ずしもそうは言いきれないです。例えば生徒の家族にけが人が出て、連絡のための緊急呼び出しかもしれないし、もしかしたら褒めることがあっての呼び出しかもしれません。こういう時に、「逆は必ずしも真ならず」のように使います。

 

 2 逆もまた真なり

 1での教員からの呼び出し案件について考えてみます。

 1で述べた通り、教員から呼び出しを受けたからと言って、それが必ずしもいけないことをしたからとは言い切れません。

 ただ、呼び出しの理由がほとんど注意だったりすると、「お前、先生に呼び出されたの、またなんか悪いことしたんか?」のように言われる、というかおちょくられる経験をした人はいるかもしれません。それが「いけないことをした⇒教員に呼び出される」の逆、「教員に呼び出される⇒いけないことをした」につながってると思われ、「逆もまた真」に使われるケースということになります。

 昔は、教員からの呼び出しは校内放送がほとんどだったので、「○年△組の□□さん、職員室の■■のところまで来てください」(教員は自分で先生とはつけない)と流れていました。しかし、何かいけないことがあった場合はたいてい、「○年△組、□□(呼び捨て)、職員室■■まで来なさい!」と強い口調になるので、そういう場合は「□□、なんか悪いことしたんか?」という(クラスをまたいだ)友達、あるいは別の教員からのツッコミまでがワンセットだったものです。

 現在はプライバシーを考慮して、校内放送はほとんどなく教員がメモを渡す形になっています(というか、メモの形のはず)が、やっぱり呼び出されるのは気分のいいものではありませんよね。普段の行動には気をつけましょう。

 本当は他にも書きたかったものがあったのですが、字数が多くなったので次回にします。