元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

2023-04-01から1ヶ月間の記事一覧

因数分解第13回・たすきがけ(1)

いよいよ、高校の因数分解を感じられる「たすきがけ」です。 どうして「たすきがけ」と呼ばれるかは次回以降に話します。今日はとにかく、「こうやってやるんだな」という流れを見てください。 この因数分解は原則、2乗の項の係数が1でない2次式の因数分…

因数分解第12回・2次式の因数分解(4)

2日ほど書くことができなくてすみません。 これからも飛び飛びしながら書くことが多いと思いますが、気長にみてください。 では、2次の項の係数が1である式の因数分解をもう少し深めます。 今日はパターンの確認とともに、2つの数の絞り方のポイントを見…

因数分解第11回・2次式の因数分解(3)

2次式の因数分解のやり方は、少しずつ身についているでしょうか。 今日は少しレベルを上げて、1次の係数が-の場合をやります。 でも原則は変わりません。 かけて定数項、たして1次の係数となる2数を見つける。がポイントです。 さっそく、例題を見てみ…

因数分解第10回・2次式の因数分解(補足編)

現在、2次の項の係数が1である2次式の因数分解をやっていますが、今日の内容は、その解き方でなぜ最初にかけて定数項になる2数を探すのかについて、その理由を説明します。 理由を端的に言えば、「整数同士のかけ算の組み合わせ方は、たし算より限定され…

因数分解第9回・2次式の因数分解(2)

前回から、2乗の項の係数が1である2次式の因数分解をやっています。 ポイントを確認しておきます。 ① ゴール(答)の形が ( x+○ )( x+□ ) の形 ② ○、□にあてはまる数は、かけて定数項、たして1次の項の数 これを図式化したものが以下のようになりま…

因数分解第8回・2次式の因数分解(1)

因数分解、次のステップです。 この因数分解ができると、2次方程式など他の項目にも活用できるので、ぜひものにしましょう。 では、どういうような式の形のときに活用するか、例を見てみましょう。 まず、因数分解で最初に見る共通因数がありません。 次に…

「9割脱出の真意」・その2

前回、100%~は信用度が下がるという話をしました。 そして、高評価の数字は90数パーセントのところにあることが多いという話もしていますが、実は数学Ⅰにもそのことに関連する内容が出てきます。 以前、参考書を買うなら新課程を買ってください。キーワー…

「9割脱出」の真意・その1

このブログのタイトルは、「数学の欠点9割脱出法」です。 じゃ、あと1割は何なんだ。10割にできないのは何か問題があるのか。と思う方もいるかもしれません。(というか、このブログ読んでくださっている方貴重です。つまりほとんど読まれてない) 理由の…

因数分解第7回・まず共通因数をみる理由

今回は、本来なら共通因数でくくる因数分解のときに説明すべきだった話です。 その時に伝えてなくてすみません。 伝えるべき話とは、「これ以上因数分解できなくなるまで因数分解する」です。 どういうことか、例題で説明します。 次の式を因数分解すること…

因数分解第6回・和と差の積の因数分解(2)

公式を使った因数分解、和と差の積の形になる問題の続きです。 今回は、2乗の項の係数が1以外の場合です。 でも原則は変わりません。 ①共通因数がないことをみる⇒②ひき算の形の確認⇒③数が何の2乗かをみる です。では、公式と2乗の数の表を確認のためおい…

堂々と助けを借りよう

今日どうしても書きたかったことがあります。 それは、「苦手としていることは、堂々と助けを借りてよい」です。 このブログでも数学の苦手な人に対して、何の2乗となっているかの表などを利用してください。とフォローをしてきました。 皆さんの中には、九…

因数分解第5回・和と差の積の因数分解(1)

いよいよ、公式を使った因数分解の話を進めます。 前回お伝えした通り、教科書の順番と異なりますが、因数分解で使う頻度が最も多い、次の公式を説明します。 (覚えるとよい度★★★★★5、今後の活用度★★★★★5) バリバリの5つ星です。 ちょっとひねった問題…

因数分解第4回・公式に進むためのステップ(2乗の数をおさえる)

因数分解の次のステップ、公式を使う問題です。まずは、次の式を見てください。 この式は因数分解できるのですが、共通因数はありません。 数字(係数)は左から1,6,9ですべてに共通に割れる数がありません。 (一部だけ、6と9は3で割れるというのはダ…

因数分解第3回・共通因数でくくる(3)

共通因数でくくる因数分解も3回目になりました。 基本形、数字が入っているものときて、今回は文字の次数が異なるケースです。 今日のパターンができると、今後の内容、2次方程式のときなどに役立ちます。 さっそく例題を見てみましょう。 同じ文字xが使…

因数分解第2回・共通因数でくくる(2)

因数分解の2回目も、共通因数を見つけてくくる練習です。 今回は数字も含まれていますが、原則は変わりません。 ①分ける⇒②共通因数を最初にかく⇒③ ( ) に残りをかく です。 この根本原則をまずおさえておきます。 そして、数字と文字が両方入っているときに…

因数分解第1回・共通因数でくくる(1)

いよいよ、因数分解のコツについて説明していきます。 まずは、因数分解の問題を解くとき最初に考える「共通因数を見つける」です。 前回、因数分解は展開の逆という話をしました。 展開するときには、分配法則を使いました。 ということは、因数分解では右…

因数分解の方針

今日も問題は解きません。 因数分解は解くコツがあるので、どこに着目したらよいかを述べていきます。 教科書とは順序が違うところがありますが、私の感覚ではこの順で考えるとよいのではと考えました。それが次の順です。 まず、新しい用語「共通因数」につ…

因数分解の心がけ

これまで展開をやってきました。 教科書には、おきかえとか工夫のある展開の問題もありますが、このブログではまず欠点を取らずに済むラインの内容についてやっているので、現状取りあげません。 もちろん、学校によって欠点のラインは異なりますが、設定と…

展開の公式第9回

いよいよ最後の公式です。 しかし、これも覚える必要はないです。 (覚えるとよい度★☆☆☆☆1、今後の活用度★★☆☆☆2) こんな長ったらしい式、私は意味なく覚えられません。 活用度2としたのは、因数分解で「たすきがけ」という方法が出るのですが、なぜその…

展開の公式第8回

展開の公式も4個目です。 ただ今回の公式と次の公式は、これまでの公式と違って、式を丸ごと覚えるということはほとんどありません。 では、公式です。 (覚えるとよい度★★☆☆☆2、今後の活用度★★☆☆☆2) パッと見、どういう意味なのか分かりづらいと思いま…

展開の公式第7回・公式3 (a+b)(a-b)

展開の公式を新たに紹介します。 この公式は次の項目、因数分解をはじめとして多くの場面で使います。 この公式が使えると、一気に数学の得点がupします。 (覚えるとよい度★★★★★5、今後の活用度★★★★★5) この公式には、式自体と結果に最大の特徴がありま…

地雷コメント・「前の先生は…」

早いところだと今日から始業式・入学式というところもあるかもしれません。 1学期の始業式では、新しい担任が発表になって生徒から歓声が上がったり、「え~」という嘆きの声が出たりというのが定番です。(最近は、生徒が空気を読んで「え~」ということは…

展開の公式第6回・公式をイメージで理解する(2)

突然ですが、みなさんは「さくらんぼ計算」を習ったことはありますか? ←こんな形で、繰り上がりのあるたし算をするとき、たして10になるように組み合わせて計算するやり方です。(青で囲ったところが10になる) このさくらんぼの形から1番目の展開公式とイ…

展開の公式第5回・公式をイメージで理解する(1)

今日と明日の2回は、公式を式だけでなく図などを用いたイメージで理解することをテーマに話していきます。ですので、練習問題はお休みします。気楽に見ていただければと思います。 まず、1番目の公式を改めて出しておきます。 これを教員が教える場合、「…

展開の公式第4回・公式2 (a-b)の2乗

展開の2番目の公式です。 (覚えるとよい度★★★☆☆3、今後の活用度★★★☆☆3) 実は、1番目の公式 (a+b) の2乗の公式で、+を-に変えただけです。 1を覚えられたら活用できる点も踏まえ、1つ星を減らしました。 1番目の公式と比べてみましょう。 特に、…

展開の公式第3回・公式1 (a+b)の2乗(2)

展開の公式について前回の続きです。 なお教科書では、展開の公式のことを乗法公式とよんでいます。 今日のテーマは、「公式にあてはめるときには( )をつける」です。 まず、前回出てきた公式を確認します。 2つの文字または数をたして2乗した形、和の2乗…

展開の公式第2回・公式1(a+b)の2乗(1)

今日から5つの展開公式を順番に説明していきます。 まず1番目の公式なのですが、説明したいことが膨れ上がって1回で説明するのは読んでる側も大変だと思いました。 ですので、今日は流れ重視ということで以下の項目について説明します。 ① 高校でよく出て…

展開の公式第1回・公式の紹介

これまで伝えてきた通り、展開は ①分けます⇒②(相手側に)線を引きます⇒③かけます⇒④たします この流れをきっちりできれば、どんな式でも時間はかかりますが、展開は可能です。 ただ、式が特定の形をしていた場合、展開の手順を踏まなくても公式にあてはめる…