元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

因数分解第5回・和と差の積の因数分解(1)

 いよいよ、公式を使った因数分解の話を進めます。

 前回お伝えした通り、教科書の順番と異なりますが、因数分解で使う頻度が最も多い、次の公式を説明します。

 

(覚えるとよい度★★★★★5、今後の活用度★★★★★5)

 バリバリの5つ星です。

 ちょっとひねった問題でも、ベースとしてこの考えを使っている問題は多いです。

 では、この公式の意味合いを図にしてみます。

 

 (2乗)-(2乗)の形は、+と-の符号だけ変えた式のかけ算にすればいいということです。「和と差の積」という言い方をします。

 では、例を見ながらやってみましょう。と言いたいところですが、この公式を使う時は、式の中にある数が何の2乗になっているかに気づくと、因数分解がはかどるので、一覧表をおいておきます。困ったときは見てください。

 

 「この公式使ったらいいというのは分かってるけど、数字が思いつかない」という人もいるかもしれません。そういう人のためへのフォローが基本です。でも、このフォローが皆さんのフォローにつながればもっといいですよね。では、問題にいきましょう。

 

 この式を因数分解します。

 因数分解するときに、まず確認することがありました。覚えていますか?

 そうです。共通因数の確認です。

 しかし、前側はxの文字だけ、後側は16と数字だけなので共通因数はありません。

 共通因数がなかったので、公式を使うことを考えます。

 そして、この公式を使うかどうかのポイントは2つです。

 ①式が2つのひき算の形になっている ②数字が何かの2乗になっている です。

 では、式をみてみましょう。

 まず、(xの2乗)-16と、ひき算になっているので①はみたしています。

 次に、数字16に着目すると、16は4の2乗なので②もみたします。

 ですので、この公式にあてはめられます。

 公式にあてはめるときは、( ) であてはめるのは展開と同じです。解いた結果を見てみましょう。

 

 前がx、後が4として、+と-だけ変えた式を作れば完成です。

 文字の部分は、使われている文字をそのまま持ってくればいいです。

 この公式を使うには、まずひき算の形⇒次に数字が何かの2乗

 と、形⇒数のリズムでみていくとよいです。では、練習問題です。

 (練習問題)次の式を因数分解しなさい。

 

 (答)

 

 なお、次回はこの公式の使い方で、文字の係数が1でない少し難しい形をしようと思いましたが、この記事を書いているとき思ったことがあるので、因数分解についてはその後にしたいと思います。1回分だけ待ってください。