元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

数と式・実数と√

分母の有理化(√2個バージョン)(4)・応用編

今回は、分母の有理化の問題のなかで、少し難しい問題や応用問題に使われやすい形を紹介します。 練習問題はありませんが、力試しをしたい人は、例題の解答を見る前に解いてもよいでしょう。では、1つ目の例題です。 分母が√2個のたし算になっているので、…

分母の有理化(√2個バージョン)(3)・隠れ√にご用心

次の分母を有理化することを考えてみましょう。 おっ、√1個だ。じゃ√3を分母・分子にかけよう。やってみます。 分母から√は消えず、有理化は失敗です。 ところで、この最後の答で√3は約分できません。 分母の3+√3の一部、√3だけを約分しようとしてい…

気をつけたい約分

前回話した内容で、分子が整数のときには、分母が計算できるまで計算を待つという話をしました。(参考ページ↓) 分母の有理化(√2個バージョン)(2)・分子の計算をあわてない - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」 といっても、計算してし…

分母の有理化(√2個バージョン)(2)・分子の計算をあわてない

前回、分母に√2つのたし算またはひき算(和と差)の形になっている式の有理化をやりました。ポイントは覚えていますか? 「√の数字は変えず、符号が逆のものを分母・分子にかける」でしたね。 今回は前回までのように分子が1ではなく、かけ算をする必要が…

分母の有理化(√1個バージョン)(2)・√のところだけかける

分母の有理化、√1個バージョンで少しオプションがつきました。次の例を見てください。 √は確かに1個ですが、√の前に2がついています。このような場合は、次のように計算します。 分母と分子にかける同じ数字は、√の部分だけの√3でよいです。 ですので、…

分母の有理化(√1個バージョン)(1)・基本形(同じ√をかける)

√の中ではとりあえず最後のメイン、「分母の有理化」です。 そもそも、分母の有理化とは何ぞや。ということですが、次の式を見てください。 上の数は分数で、しかも分母は、√がついている無理数です。 分母に√がついている数の分母と分子に同じ数をかけて、…

次につながる√の計算

今日はこの内容の計算ができていると、√の大事な計算(分母の有理化→次の内容の項目です)に役立つ計算について説明します。まずは次の例を見てください。 前回学んだ展開の理屈で1個1個かけてもよいのですが、式をよく見てみましょう。 2つの式を見比べ…

√の入った式の展開

これまで鍛えてきた√の計算の技を使って、√の入った少し難しい式の計算をやってみましょう。 この計算方法を覚えれば、のちに出てくる分母の有理化にも役立ちます。 では、次の例を見てみましょう。 展開のときの、分ける→線を引く→かける→たす のやり方と同…

√の複雑なかけ算(2)

前回のかけ算で、「√のない部分とある部分でそれぞれ計算してくっつける」という原則を伝えました。 今日はその原則で計算したときに、√の部分が消えたり、〇√△のパターンになる形です。最初の例です。 √のない部分が2、√の部分(青で囲んだ部分)が√3×√3…

√の複雑なかけ算(1)

前回までの√のたし算・ひき算の計算は理解できたでしょうか。 今日からは難しい√の計算に対応できるよう、√のかけ算の中で複雑なものを2回にわたってとりあげます。 この計算ができると、√が入った式の展開、分母の有理化(後日のブログに出てきます)など…

√のたし算・ひき算(3)・同類項(?)のような整理

今日は、難しい計算に進むためのステップです。 ただ、原則は全く変わりません。 √の中身が同じものを見つけて整理する。というだけです。 文字式(多項式)の整理と同じ要領だと思ってくれればかまいません。 さっそく例をあげます。 √の中身が2で同じもの…

√のたし算・ひき算(2)・〇√△に直して計算を可能に

前回、√のたし算・ひき算については、次の点に気を付けてほしいと述べました。 ① √の中身同士の計算はできない ② √の中身が同じものだけ計算できる ③ 文字式のたし算・ひき算と計算方法が同じ 以上の注意点とともに、√の中身が違っても条件を満たせば計算で…

√のたし算・ひき算(1)・基本は文字式と同じやり方で

いよいよ√のたし算・ひき算に入ります。 ここで、√のかけ算・わり算を復習します。次の例を見てみましょう。 かけ算・わり算は√の中身同士で計算することができます。 しかし、たし算・ひき算は、√の中身同士の計算はできません。 次のような計算間違いが非…

〇√△の形への直し方(2)・少し難しい問題にチャレンジ

前回から始めた〇√△への変形。今回は数字が大きくなり、素因数分解するとかけ算の式が多くなってしまう例をやってみます。 でも原則は変わりません。「ペアを見つけたら√の外に出す、ペアでないものは√の中のまま」です。 1つ目の例です。 素因数分解すると…

〇√△の形への直し方(1)・基本形

長らくお待たせした√の計算、〇√△の形への直し方です。 √を直す場合、ぴったり√が外れるか、〇√△の形かいずれかだと思ってください。 最初にぴったり外れないか考え、それがだめなら〇√△の形を考えます。 その考え方の基本は、次のイメージ図です。 では、√1…

√のかけ算とその工夫

√の計算で分かりやすいのは、実はかけ算とわり算です。 今日は、かけ算のことについて説明します。 そして今日の説明が、いよいよ〇√△の形につながります。 (意味)にあるように、計算自体は難しくありません。√のかけ算は、√の中身のかけ算をしたらいいで…

√を外すときに気を付けること

〇√△の形に直す前段階として、素因数分解を前回までしてましたが、ここにきて大切なことを言うのを忘れていました。 あと2回分あります。期待してた方はすみません。 ただ、今日出てくるテーマの問題を出してくるケースが増えているので、言っとかなきゃと…

簡単になる√の値

前回、平方根と√の違いの話をしましたが、少しわかりづらかったかもしれません。 違う角度から√ を簡単にすることを考えてみます。前回の例を復習してみます。 定義通り説明してみました。 一方、4を2乗すると16になることと問題の結果から、次のような式…

平方根と√の直し方

前回は、「〇の平方根」は√〇 と-√〇、つまり+のものとーのもの2つあるという話をしました。 今回は、「〇の平方根」を答えるときと、√〇 の値を求めるときとで、区別してくださいという話です。特に、√ がなくなって簡単な値になるときにミスが出やすい…

平方根とは

それでは、平方根について話していきます。 先に、今日の内容の注意点を述べておきます。 「〇の平方根は+と-の2つある」 とくに、「+と-の2つある」というところを意識するとよいです。 無理数の説明のとき、さらっと述べてはいましたが、きちんと平…

数の分類(3)・練習問題を添えて

前回まで、数には分数の形で表せる有理数と分数の形で表せない無理数(循環しない無限小数)があるという話をしました。 そして、有理数と無理数を合わせて「実数」といいます。 言い換えると、実数は有理数と無理数に分かれるということです。 このことをま…

数の分類(2)・無理数(根号のついた数)

いよいよ、今回から√(ルート)の話をします。 そもそも、数というのは必要に迫られて都合のいいように作られた過去があります。 分数は、みんなで分けるときに余りが出て、整数の範囲で収まらなかったからだし、 -の数も、不足を表すときや反対の向きを表…

数の分類(1)・有理数

今日から新しい内容、ルート(根号)のついた式に関する話です。 ですが、その前に数の分類に関する話を何回かします。 皆さん、小学校に入る前のことを想像してみましょう。 最初に数を身近に感じたのは、「ひとつ、ふたつ」などとものを数えたことではない…