元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

分母の有理化(√2個バージョン)(3)・隠れ√にご用心

 次の分母を有理化することを考えてみましょう。

 

 おっ、√1個だ。じゃ√3を分母・分子にかけよう。やってみます。

 

 分母から√は消えず、有理化は失敗です。

 ところで、この最後の答で√3は約分できません。

 分母の3+√3の一部、√3だけを約分しようとしているからです。

 +やーで結ばれている式の一部だけを約分することはできません

 

 では、どうすればよいのでしょう。

 実はこの式の分母にある1は√1のことです。

 表面上は見えていませんでしたが、分母は+で結ばれていたので、√2個のパターンとみます

 ←のような理屈になります。

 ですので、次のように分母を有理化します。

 

 分母の√3+1と使う数字が同じで符号を逆にする√3ー1を分母・分子にかけます。

 だんだん、このパターンに慣れてきたでしょうか。

 あと、分母の計算ですが、(√7+√5)(√7ー√5)のようにどちらも√ついているなら、以前やった7-5というのもありだと思いますが、今回の場合は(2乗)ー(2乗)をちゃんと計算したほうが無難です。地道に展開したほうが良いかもしれません。それで何の問題もないです。

 では、隠れ√の問題をやってみましょう。

 (練習問題) 次の分母を有理化しなさい。

 

 (答)

 

 次回で、√の内容は一段落とします。

 もう少し難しい有理化と、試験や応用として出てきやすい形を紹介します。