元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

因数分解第7回・まず共通因数をみる理由

 今回は、本来なら共通因数でくくる因数分解のときに説明すべきだった話です。

 その時に伝えてなくてすみません。

 伝えるべき話とは、「これ以上因数分解できなくなるまで因数分解する」です。

 どういうことか、例題で説明します。

 次の式を因数分解することを考えてみましょう。

 

 この問題を見て、4は2の2乗、16は4の2乗、そしてひき算の形だから、和と差の積の公式が使えると思った人。

 鋭いです!公式の理屈が分かっています。つまり、

 ←こう解いた人です。

 ですが、惜しい!

 テストでは減点になってしまいます。その理由が、

 「これ以上因数分解できなくなるまで因数分解していない」からです。

 このことは上にも示しているのですが、2x+4、2x-4ともにまだ、共通因数2でくくれるからです。これが「これ以上因数分解できなくなるまで因数分解していない」ということになります。

 ここからどうすれば正解になるかというと、

 

 上のように、数字でそれぞれくくり、あとから出た数字をかけ算すればよいです。

 でも、めんどくさかったですよね。

 なので、最初に共通因数を確認する。なのです。

 この問題は次のように、まず4と16の共通因数4でくくるのがポイントです。

 

 数字をくくり損ねて、あとからかけ直すよりずっと楽なのが分かると思います。

 共通因数は、文字はわりと見つかりやすいのですが、数字が見つかりにくいことが多いです。例えば次のようなケースです。

 

 文字の共通因数、aをきちんと見つけられたことは「できた」と自分にプラス評価してください。さらに、数字にも気を配れれば正解に近づくということです。

 ですので、因数分解ではしつこいようですが、

 ①共通因数があるかどうかをまず見よう

 ②これ以上因数分解できなくなるまで変形しよう

 この2点を大切にして、問題に取り組んでください。

 今日は練習問題はありません。

 次回ですが、次の公式を使う因数分解の説明の準備が整ってないので、それまでいくつか思ってることを書きたいと思います。気長に待っていただければ幸いです。