現在、2次の項の係数が1である2次式の因数分解をやっていますが、今日の内容は、その解き方でなぜ最初にかけて定数項になる2数を探すのかについて、その理由を説明します。
理由を端的に言えば、「整数同士のかけ算の組み合わせ方は、たし算より限定される」からです。この考え方は、今後整数に関する問題を解くときにも活用できます。
前回解いた問題でみてみましょう。
この式を因数分解するには、まず○×□=4となる整数の組み合わせを見つけてから、○+□=5となるものを選びました。
その際、○×□=4となるともに整数となる組み合わせは、次の4通りでした。
←この4通りのうちから、○+□=5となるものを探せば済みます。
では、○+□=5となる2つの数の組み合わせからみたらどうなるでしょうか。
たいていの人は、1と4とか2と3などプラス同士の組み合わせから考えるでしょう。しかし、プラス同士でなくてもいいなら、0と5など0を使ったり、ー1と6など-の数も候補にあがります。
こんなのはかわいいほうで、たして5になりさえすればよいなら1000と-995の組み合わせでもよいわけです。これは極端な例ですが、要はたし算の組み合わせは無数にあるから大変だということです。
一方で、かけ算の組み合わせだと候補が絞れましたよね。
だから、かけ算から考えるのです。
計算の理由などにも興味を持てるようになると、問題を解くための理解がさらに深まると思います。次回からは符号に-がつく式の因数分解にレベルアップしましょう。