元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

因数分解第10回・2次式の因数分解(補足編)

 現在、2次の項の係数が1である2次式の因数分解をやっていますが、今日の内容は、その解き方でなぜ最初にかけて定数項になる2数を探すのかについて、その理由を説明します。

 理由を端的に言えば、整数同士のかけ算の組み合わせ方は、たし算より限定される」からです。この考え方は、今後整数に関する問題を解くときにも活用できます。

 前回解いた問題でみてみましょう。

 

 この式を因数分解するには、まず○×□=4となる整数の組み合わせを見つけてから、○+□=5となるものを選びました。

 その際、○×□=4となるともに整数となる組み合わせは、次の4通りでした。

  ←この4通りのうちから、○+□=5となるものを探せば済みます。

 では、○+□=5となる2つの数の組み合わせからみたらどうなるでしょうか。

 たいていの人は、1と4とか2と3などプラス同士の組み合わせから考えるでしょう。しかし、プラス同士でなくてもいいなら、0と5など0を使ったり、ー1と6など-の数も候補にあがります。

 こんなのはかわいいほうで、たして5になりさえすればよいなら1000と-995の組み合わせでもよいわけです。これは極端な例ですが、要はたし算の組み合わせは無数にあるから大変だということです。

 一方で、かけ算の組み合わせだと候補が絞れましたよね。

 だから、かけ算から考えるのです。

 計算の理由などにも興味を持てるようになると、問題を解くための理解がさらに深まると思います。次回からは符号に-がつく式の因数分解にレベルアップしましょう。