元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

因数分解第19回・( )の2乗の形の因数分解

 いよいよ因数分解も大詰めです。

 2回に分けて ( ) の2乗になる形の因数分解をやっていきます。

 まず、次の公式です。

 

 なお、因数分解自体はこれまでやった、たすきがけ等を使えばできます。

 そのうえで、公式を使うにはこういう理屈だというのを説明します。

 テストでは当然、公式を使っても使わなくても問題はありません。解けるかどうかだけです。

 では、この公式を使うことのできる問題で、まず公式を使わずにどう解くかの例を2つ見せます。xの2乗の係数が1のときとそうでないときです。

 

 かけて9、たして6となる2数を見つけるやり方です。3と3ですね。

 したがって(x+3)(x+3) となり、同じx+3を2かけてるので、2乗にします。かけ算のルールなので、( ) の2乗には直しておきましょう。

 

 これは、たすきがけを使います。かけて(2乗の係数)4、かけて(定数項)1、ななめにかけてたしたら4となる組み合わせを考えた結果、2x+1が2回かけられる形になったので2乗にします。

 公式を使わなくても解けるのは、これでいいでしょうか。

 ただ、せっかく教科書に公式が載っているので、こうすれば活用できるというのを見ていきましょう。最初の問題からいきます。

 

 上の図と、次の説明の色のついた文字に着目しながら見てください。 

 まず、2乗の項が( )の2乗の形にできるかを見ます。(x)の2乗です。

 次に、定数項が( )の2乗の形にできるかを見ます。9は(3)の2乗です。

 この見つけてきたそれぞれ、(x)(3)をかけたものの2倍、つまり、2・(x)(3)が真ん中の項になればよいです。6xでなっています。

 ですので、()の2乗とすればOKです。

 数の着目する順番は、たすきがけと同じですので、たすきがけを見るリズムを覚えれば対応できると思います。念のため、もう一つの例も公式を使いましょう。

 

 2乗の項が、(2x)の2乗、定数項が (1) の2乗。

 それぞれかけて2倍した、2・(2x)(1)=4xがxの項になっています。

 ですので、(2x) の2乗とできます。

 リズムとしては、前と後、それぞれ何の2乗か考えて、それぞれかけて2倍が真ん中ならば使えるということになります。公式を使えるように練習してみましょう。

 (練習問題) 次の式を因数分解しなさい。

 

 (答)