元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

因数分解第17回・たすきがけ(5)数の組み合わせ方応用編

 因数分解はコツがいるということで、20回に迫る勢いで分けて書いてます。

 そして、たすきがけも大詰めに近づきました。

 今日は少し異なった発想の話をします。

 難しいなと思ったら、これまで通りの基本形、数字の組み合わせの変え方3つの方法を活用したのでかまいません。「こんな考え方もあるよ」くらいで聞き流してもよいです。念のため、数字の変え方3つの方法を書いておきます。「左側を変えずに」

 ① 数の順番を変える(例:「1、3」がだめなら「3、1」)

 ② 数の組み合わせを変える(例「1,6」がだめなら「2、3」)

 ③ 符号で調整する(-を適切な位置につける) です。

 例題を見てみましょう。

 

 たすきがけの形なので、まずはかけて2次の係数、2となる2数を組み合わせます。

 

 次に、かけて定数項ー3になる2数を組み合わせてたすきがけ。で問題はないです。

 一発で「ー3、1」の組み合わせが見つかれば最高、センスいいです。

 違ってたら数字の組み合わせを変える。OKです。

 ですが、効率よく組み合わせを見つけるため、以下の考え方をすることがあります。

 ① 本来はかけてー3なのですが、かけて-だから、どちらかに-をつけたらいい。「符号は後で調節する」と考え、下図のように符号を後回しにして、かけて3となる2数を先に組み合わせて、たすきがけします。

 

 ② 次に、たすきがけの結果がー5になればよいので、「たして-となるには、大きいほうに-つけたらいい」と考え、かけ算した結果の数字のうち、この場合、6の方に-をつけます。

 

 ③ 後側の組み合わせに、うまく対応するよう-をつければOKです。

 

 ざっくり言うと、定数項の数について、まず符号を無視してかけ算の組み合わせを作り、後からたすきがけがうまくいくよう-をつけるという作戦です。

 この作戦を用いるとき、②で出てきたかけ算の答の差が1次の係数の数と同じでなかったとき(符号は無視する)には、その段階で後の組み合わせを変えます。

 

 雰囲気は伝わったでしょうか。

 最初に述べた通り、難しいと思えば基本の考え方で十分です。

 では、練習問題です。

 (練習問題) 次の式を因数分解しなさい。

 

 (答)

 

 (参考・たすきがけ)

 

 たすきがけについてはもう少し述べたいこともありますが、とりあえず今回でひと区切りにします。面倒な内容もありましたが、少しはできるようになったでしょうか。

 次回は2次の係数が1のときも、たすきがけは可能という話をします。これは気楽に聞いて構わない内容です。皆さん、お疲れさまでした。