元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

因数分解第14回・たすきがけ(2)組み合わせの修正法Part1

 2乗の項の係数が1でない2次式の因数分解、たすきがけを学んでいます。

 「たすきがけ」という名の由来は、因数分解するとき×印を書いて答を求めにいきましたが、その×印が応援団などの服装で使われる「たすき」の形に似ており、さらに「かけ算」しているからです。

 今日のテーマは、そのたすきがけがうまくいかないとき、どう修正するかです。

 今日述べる順番通りにやらなくても、途中で正解に気づけば何の問題もありません。

 ただ、数字の組み合わせをもれなく調べたいと思ったときには、ある程度原則にそっておくとミスなく求められるので、その考え方を説明します。

 また、前回の流れ説明では言えなかった注意も述べていきます。では例題です。

 

 ここで流れの確認です。

①かけて前②かけて後③ななめにかけてたしたら真ん中

 かけて2次の項の係数2となる2数を縦に並べます。

 前回言い忘れていましたが、この2数は必ず+の数にします

 

 次に、かけて定数項2となる2数を縦に並べます。

 

 そして、「ななめにかけてたす」で計算し、1次の項の係数5になればよいのですが…。

←計算結果は4で失敗です。

 ですので、数字の組み合わせを変えなくてはいけません。

 このとき、ただの思い付きで変えるのでなく、一定のルールをもって変えると確実に正解に結びつきます

 そのルールはいくつかありますが、まずは「左の上下は変えずに、右の上下を入れ替える」です。

 それでもだめなら…は次回以降説明するので、今日はまず「右だけ変える」を覚えてください。

 この問題の例だと、右が上から順に「1、2」となっていますが、これを「2、1」に変えます。下の図を見ましょう。

この状態から右だけ数字の上下を入れ替えます。

 入れ替えた状態で同じように「ななめにかけてたす」をすると、うまくいきました。

 

 あとは、前の数にxがついてると思って、横に式を読めばよいです。

 

 ところで、たすき掛けの横に×とか○の印が書いてありましたね。

 これは、組み合わせがうまくいかなかったときに消しゴムで消すと、また失敗の組み合わせを書いてしまう可能性があるからです。ですので、特にノートに書く練習のときは、消しゴムで消さず×を書いて、次の組み合わせを試しましょう

 失敗をたくさんするほど、数字の組み合わせのコツも分かってきます

 

 そして、因数分解に入ってずっと言い忘れていたことがあります。

 因数分解の答があってるかどうかの確認方法、検算です。

 これは因数分解の答を展開してください。

 因数分解は展開の逆だからです。言い忘れていてすみません。

 念のため、この答を展開しましょう。

 ←元に戻ったので答はあっています。

 では、練習問題です。

 念のため答には、たすきがけの形ものせているので、参考にしてください。

 (練習問題) 次の式を因数分解しなさい。

 

 (答)

 

 (参考・たすきがけ)