2乗の項の係数が1でない2次式の因数分解、たすきがけを学んでいます。
「たすきがけ」という名の由来は、因数分解するとき×印を書いて答を求めにいきましたが、その×印が応援団などの服装で使われる「たすき」の形に似ており、さらに「かけ算」しているからです。
今日のテーマは、そのたすきがけがうまくいかないとき、どう修正するかです。
今日述べる順番通りにやらなくても、途中で正解に気づけば何の問題もありません。
ただ、数字の組み合わせをもれなく調べたいと思ったときには、ある程度原則にそっておくとミスなく求められるので、その考え方を説明します。
また、前回の流れ説明では言えなかった注意も述べていきます。では例題です。
ここで流れの確認です。
「①かけて前⇒②かけて後⇒③ななめにかけてたしたら真ん中」
かけて2次の項の係数2となる2数を縦に並べます。
前回言い忘れていましたが、この2数は必ず+の数にします。
次に、かけて定数項2となる2数を縦に並べます。
そして、「ななめにかけてたす」で計算し、1次の項の係数5になればよいのですが…。
←計算結果は4で失敗です。
ですので、数字の組み合わせを変えなくてはいけません。
このとき、ただの思い付きで変えるのでなく、一定のルールをもって変えると確実に正解に結びつきます。
そのルールはいくつかありますが、まずは「左の上下は変えずに、右の上下を入れ替える」です。
それでもだめなら…は次回以降説明するので、今日はまず「右だけ変える」を覚えてください。
この問題の例だと、右が上から順に「1、2」となっていますが、これを「2、1」に変えます。下の図を見ましょう。
この状態から右だけ数字の上下を入れ替えます。
入れ替えた状態で同じように「ななめにかけてたす」をすると、うまくいきました。
あとは、前の数にxがついてると思って、横に式を読めばよいです。
ところで、たすき掛けの横に×とか○の印が書いてありましたね。
これは、組み合わせがうまくいかなかったときに消しゴムで消すと、また失敗の組み合わせを書いてしまう可能性があるからです。ですので、特にノートに書く練習のときは、消しゴムで消さず×を書いて、次の組み合わせを試しましょう。
失敗をたくさんするほど、数字の組み合わせのコツも分かってきます。
そして、因数分解に入ってずっと言い忘れていたことがあります。
因数分解の答があってるかどうかの確認方法、検算です。
これは因数分解の答を展開してください。
因数分解は展開の逆だからです。言い忘れていてすみません。
念のため、この答を展開しましょう。
←元に戻ったので答はあっています。
では、練習問題です。
念のため答には、たすきがけの形ものせているので、参考にしてください。
(練習問題) 次の式を因数分解しなさい。
(答)
(参考・たすきがけ)