今日はこれまでの記事を参考に、2次関数の基本形、y=ax^2のグラフをかいてみましょう。まずは、y=ax^2のグラフの性質をもう一度おさえておきます。
2次関数のグラフをかく際、肝になるのは頂点です。
一般的に2次関数のグラフは、通る点が3点決まるとかくことができます。
(直線では通る2点が決まればかけます)
ですが、頂点が決まると、あともう1点通るところが分かればかくことができます。
理由は、頂点を軸としてグラフは左右対称ですので、頂点以外の1点と左右対称になる点が自動的に決まり。通る3点が決まるからです。次の図をイメージするとよいです。図は、頂点が原点の下に凸のグラフを例に挙げていますが、上に凸のグラフでも、今後出てくる、頂点が原点でない場合も、2次関数・放物線のグラフならこの原則は変わりません。
これで、2次関数のグラフをかくときにとるべき点のイメージはつかめましたか?
それでは、先にお断りしておきます。
今後グラフをかく際の説明は、私が現役時代に説明していた形に合わせます。
ですので、この記事を見ている方にとっては、「自分が教えてもらってるやり方と違う」と思われて当然です。ですので、自身で納得できて取り入れられる部分に着目していただけたらと思います。(数学的に問題ないようには気をつけます)
では、下に凸のグラフになる例をやってみます。
私の場合は、グラフをかくときには次のような項目を書いて、これをもとにグラフをかいていました。一種のパターン化です。それを見せてその後説明します。
まず①。これは頂点の座標です。これはグラフの肝なので書いておきたいです。
この問題では、y=〇x^2の基本形ですから、頂点は原点(0,0)ですね。
次に②の軸(の方程式)。グラフに軸は記入しないので、解答に示す必要はないですが、後に「軸の方程式を答えよ」という問題が頻出するので、その練習も含めて書いてあります。ポイントは、頂点のx座標と、軸の方程式x=△となる数は等しいです。
次に③の下に凸か上に凸かをおさえるのは、形が定まるという面で重要なので、書くことをおすすめします。理由は、せっかく頂点と他にとる点の計算は合っているのに、どちらに凸かが逆になっていて誤答となる解答を多く見てきたからです。裏を返せば、どちらに凸かがおさえられていたら、誤答は格段に減らせます。この問題では、xの2乗の係数3は+ですから、下に凸ですね。
最後の④は頂点以外に通る点を求めます。頂点が原点(広く言うと、頂点のx座標が0のとき)なら、x=1のときのyを求めるのが良いです。この例では計算していますが、これまで学んだ通り、計算しなくてもx=1のときのyの値は、xの2乗の係数なので、いきなりx=1のときy=3としてよいです。
では、これだけの準備をしてグラフをかいていきます。まずは頂点をかきます。今回は原点をとればいいです。(なお、新しくやる作業を赤、済んだ作業は黒で示します)
次に、頂点以外の点をとります。x=1のときy=3ですので、(1,3)をとります。
あとは、下に凸のグラフですので、頂点のところで底にして、さっきとった頂点以外の点を通るように放物線をかけば完成です。
なお、この2点でかくのが不安なら、x=1と対称の点x=ー1のときy=3をとってからかくと、より安心だと思います。
項目①~④をおさえて、頂点、もう1点、(対称の点)、どちらに凸かをおさえてかくという流れはつかめましたか?
本来なら、上に凸の例も書きたかったのですが、長文になったので、次回に回してそのとき練習問題もしたいと思います。