元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

因数分解第1回・共通因数でくくる(1)

 いよいよ、因数分解のコツについて説明していきます。

 まずは、因数分解の問題を解くとき最初に考える「共通因数を見つける」です。

 前回、因数分解は展開の逆という話をしました。

 展開するときには、分配法則を使いました。

 

 ということは、因数分解では右側から左側の式にすればよいです。つまり、

 

 となればよいわけです。では、手順を見ていきましょう。

 なお、考え方を線などで示しているので参考にしてください。

 

 ① 式を+または-のところ(項ごとに)で分けます

  

 ② 各項に共通している文字(共通因数を見つけます。(赤の○で囲んでます)

 

 ③ 共通因数を最初にかきます。(まだ答ではありません)

  

 ④ 共通因数の後ろに ( ) をかきます。(まだ答ではありません)

  

 ⑤ 共通因数以外のものを ( ) 内(青文字の部分)にかきます。(答です)

  

 この答は、a と b+c のかけ算の形として表されているので、これで因数分解ができたということになります。

 では、共通因数を利用する因数分解の流れをキーワードでまとめましょう。

 ①分ける⇒②共通因数を最初にかく⇒③ ( ) に残りをかく です。

 なお、このやり方のように、共通因数を前に書き、残りの式を ( ) の中にまとめることを「共通因数でくくる」と言います。この言葉は因数分解でよく使います。

 ちなみに、因数分解ではかけ算の順序が変わっていてもかまいません。

 つまり、( b+c ) a でも正解です。

 ただ、このブログでは流れを重視するという目的から、共通因数は前にかくようにします。では、もう一つ例を見てみましょう。次の式を因数分解します。

 

 まずは、式を(-のところで)分けて共通因数を見つけます。

 

 xが共通因数ですね。そのxを最初にかき、あとは ( ) に残りの式をかきます。

 手順を細分化しているので確認しましょう。

 

 もちろん解答は一番下の式まで書くのですが、流れを見てほしかったのであえてこう表しました。

 本当は動画で見せられるだけの力が私にあればよいのですが…。ごめんなさい。

 動画なら見せられる流れを、文字上で表そうとした工夫を見ていただければ幸いです。

 では、練習問題です。共通因数を見つけて因数分解をしてみましょう。

 (練習問題)次の式を因数分解しなさい。

 

 (答)