元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

展開の公式第7回・公式3 (a+b)(a-b)

 展開の公式を新たに紹介します。

 この公式は次の項目、因数分解をはじめとして多くの場面で使います。

 この公式が使えると、一気に数学の得点がupします。

 

(覚えるとよい度★★★★★5、今後の活用度★★★★★5)

 この公式には、式自体と結果に最大の特徴があります。それを下図に示します。

 

 かける2つの式について、違うのは+と-の符号だけで、出てくる文字や数字は同じのときに使える公式です。

 上の公式でも、a と b は同じで、違うのは+と-だけです。

 そのとき展開した結果は、式の前側、a を2乗したものから、式の後側、b を2乗したものを引いた形になるということです。

 これも、地道に展開したものを見てみましょう。

 

 特に、(※)の式に着目してください。

 地道に計算したとき、真ん中の2つ、-abと+abがちょうどたしたら0になって消えます。ですので、地道に計算する練習を繰り返す中で、「あ、このパターンは真ん中消える」と気づいて公式につなげられるかもしれません。

 

 では、公式にあてはめる例を見ていきましょう。

 

 式を見るリズムは、

 (符号の)前同じ⇒後同じ⇒符号だけ違う⇒(前の2乗)-(後の2乗)です。

 この場合も、

 前の x 同じ⇒後の 4 同じ⇒符号が+と-⇒(前の x の2乗)-(後の 4 の2乗)です。なお、公式にあてはめるとき、( )をつける原則は変わりません。

 ちなみにこの公式は、+、-の順でなくても、-、+の順、要は符号が違っていれば使えます。(もちろん、前と後の文字・数字が同じであることが必要)-、+の順の例も見てみましょう。

 

 前の 2x 同じ⇒後の 3y 同じ⇒符号が-と+⇒(前の 2x の2乗)-(後の 3y の2乗)

で計算できます。

 この公式は、式の着目点と結果が他の公式と比べ分かりやすいのが特長です。たくさん公式を覚えられないという人は、まずこの公式を覚えるとよいでしょう。

 また、授業では式の特徴から、「和と差の積」という言い方をします。+のついた式と-のついた式をかけているからです。このフレーズを覚えておくとよいでしょう。

 では、練習問題です。今回は4題に増やしました。ぜひ覚えてほしいからです。

 (練習問題)次の式を展開しなさい。

 

 (略解)