展開の公式を新たに紹介します。
この公式は次の項目、因数分解をはじめとして多くの場面で使います。
この公式が使えると、一気に数学の得点がupします。
(覚えるとよい度★★★★★5、今後の活用度★★★★★5)
この公式には、式自体と結果に最大の特徴があります。それを下図に示します。
かける2つの式について、違うのは+と-の符号だけで、出てくる文字や数字は同じのときに使える公式です。
上の公式でも、a と b は同じで、違うのは+と-だけです。
そのとき展開した結果は、式の前側、a を2乗したものから、式の後側、b を2乗したものを引いた形になるということです。
これも、地道に展開したものを見てみましょう。
特に、(※)の式に着目してください。
地道に計算したとき、真ん中の2つ、-abと+abがちょうどたしたら0になって消えます。ですので、地道に計算する練習を繰り返す中で、「あ、このパターンは真ん中消える」と気づいて公式につなげられるかもしれません。
では、公式にあてはめる例を見ていきましょう。
式を見るリズムは、
(符号の)前同じ⇒後同じ⇒符号だけ違う⇒(前の2乗)-(後の2乗)です。
この場合も、
前の x 同じ⇒後の 4 同じ⇒符号が+と-⇒(前の x の2乗)-(後の 4 の2乗)です。なお、公式にあてはめるとき、( )をつける原則は変わりません。
ちなみにこの公式は、+、-の順でなくても、-、+の順、要は符号が違っていれば使えます。(もちろん、前と後の文字・数字が同じであることが必要)-、+の順の例も見てみましょう。
前の 2x 同じ⇒後の 3y 同じ⇒符号が-と+⇒(前の 2x の2乗)-(後の 3y の2乗)
で計算できます。
この公式は、式の着目点と結果が他の公式と比べ分かりやすいのが特長です。たくさん公式を覚えられないという人は、まずこの公式を覚えるとよいでしょう。
また、授業では式の特徴から、「和と差の積」という言い方をします。+のついた式と-のついた式をかけているからです。このフレーズを覚えておくとよいでしょう。
では、練習問題です。今回は4題に増やしました。ぜひ覚えてほしいからです。
(練習問題)次の式を展開しなさい。
(略解)