元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

逆・裏・対偶(1)作り方

 集合と命題のテーマも終盤に近付いてきました。

 今回のテーマは、「逆・裏・対偶」です。

 日常生活では、「逆に言うと」とか「裏を返せば」などと使われることがあります。

 今日は、「逆・裏・対偶」の作り方だけ話をします。その真偽については、覚えておくと便利な発想がのちに出てくるので、そのとき説明します。まずは定義です。

  

 イメージとしては、p⇒qがあって、その順番を入れ替えたり、それぞれ否定を作ったりするのを組み合わせて新しい○⇒△の形を作る。と思ってください。

 大切なのは、どういう操作をしたら逆になるか、裏になるか、対偶になるかということ。つまり、操作と言葉の組み合わせをしっかり覚えてください。では例題です。

 

 これをもとの命題として、この命題の逆・裏・対偶を作っていきます。

 まずは逆です。逆は、順番だけ入れ替えます。⇒の前後を入れ替えます。

  

 次に裏です。裏は、それぞれ否定に変えます。ただし、順番は変えません。

  

 否定の部分を点線で囲んで、少しだけイメージをつけやすくしているので見ておいてください。 

 最後に対偶です。対偶は、それぞれ否定に変えて、さらに順番も入れ替えます。

  

 きちんと理解するには、練習が必要です。今日は少ないですが、1問練習問題をやってみましょう。

 (練習問題)次の命題について、この命題の逆・裏・対偶を答えなさい。

  

 (答)

 

 次回から、逆・裏・対偶の真偽についても学びますが、最初に説明した通り、もとの命題の真偽との間には、知っておくと便利な関係があるので、次回はその関係について述べたいと思います。