今日は、命題が偽となる場合について説明をし、前回学んだ部分集合の考え方を使って真偽を判定する練習をしようと思います。
まずは、前回の復習です。
p⇒qの形の命題が真になるときは、条件pをみたすものの集合(本来は真理集合といいます)をP、条件qをみたすものの集合をQとすると、P⊂Qが成り立つときでした。念のため、部分集合のイメージ図とともに見ておきます。
この図から考えると、命題p⇒qが偽となるには、真のときのようにPがQの中にすっぽり入っているわけではなく、Qの外にはみ出している部分が少しでもある。ということが言えそうです。図でイメージすると次のようになります。
PがQからはみ出していて、すっぽり入っていない、PはQの部分集合になっていないというのがイメージできたでしょうか。
ところで、「反例」という言葉が出てきています。
反例とは、命題p⇒qが偽のときに、条件pはみたすが、条件qをみたさない例のことを言います。大事なところが2つあるので確認しておきます。
まず、反例はその命題が偽のときのみ出てきます。真のときには考えません。
次に、反例は前の条件(pにあたる部分)はみたしてないといけません。
例えば、東京大学は女子大学である。は偽になります。
東京大学には男子学生がいますからね。
ただし、偽であることの説明には、東京大学の男子学生を示さないといけません。
前提条件の崩れている慶応大学の学生を連れてきて、東京大学は女子大学じゃないと言ってもダメです。反例を示すには、前提条件をみたすことが必要です。
話が横道にそれました。反例の作り方は別建てして、今日は偽の例を見せます。
「整数mが偶数⇒整数mは3の倍数」
偶数は、2、4、6…、3の倍数は3、6,9…。
どうみても偶数だったらみんな3の倍数ということはなさそうです。つまり偽です。
これをベン図で示してみましょう。偶数の集合をP、3の倍数の集合をQとすると、
PはQの中にすっぽり入っておらずはみ出しており(PはQの部分集合でない)、命題が偽であることがお分かりになったでしょうか。
なお、反例を求めなさい。と言われたときには、この場合だと2でも4でも8でも、極端な話10000でも1個あげればOKです。前の条件偶数を満たしていて、後ろの条件3の倍数でなければよいのです。
では、真偽の判定ができるかどうか練習してみましょう。
(練習問題) 次の命題の真偽を答えなさい。
(答)