元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

2つの集合の関係(2)・部分集合の今後の活用法

 前回に続く部分集合の活用法②、今回は次のジャンル・命題との関連性です。

 命題の予習のつもりで聞いておくと、次につながると思います。

(なお、集合の話はまだ続きます。全体集合と補集合の話が必要なので→次回以降に説明します)

 

 命題とは、ざっくり言うと数学界の〇×クイズです。

 「素数はすべて奇数である、〇か?×か?」

 正しいと思えば〇、間違ってると思えば×に行ってください。

 なお、不正解を選んでも泥んこにはなりません。

(このネタが通用するのは、アメリカ横断ウルトラクイズを知っている方です)

 とりあえず、命題とは何かのイメージはつきましたか。

 

 で、この命題の〇×を答えるとき、(なお、数学では〇の場合のことを真、×の場合のことを偽といいます。命題のとききちんと説明します)問題によっては部分集合の考え方を使うケースがあります。例えば次の問題です。

 「日本の法律で、普通自動車免許を持っている人はすべて18歳以上である」

 この問題(命題)の答は〇(真)となりますが、集合で考えることで説明がつきます。次のベン図を見てみましょう。

   

 普通自動車免許は18歳以上じゃないととることができません。言っていることは正しい(真)です。言い換えれば、18歳以上の人の(集合の)中で、免許を取っている(人の集合がある)といえます。

 このことは、「免許を取っている人の集合」は「18歳以上の人の集合」の部分集合となっていることを示しています。少しわかりにくかったかもしれませんが、部分集合で命題が真か偽かを判定できるというのがなんとなくイメージできれば、私にとってはうれしいです。詳しくは本格的に命題の章に入ってから話したいと思います。

 

 ちなみに最初の命題の例で出した、「素数はすべて奇数である」の答は×(偽)になります。理由は、素数の中に2という偶数が入っているので、すべて奇数と言えないからです。