元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

2つの集合の関係(2)・部分集合の昔話

 まずは、部分集合の復習をしておきます。

 集合Aの要素がすべて集合Bの要素であるとき、集合Aは集合Bの部分集合といい、A⊂Bで表します。この「すべて」というところは今後も出てくる考え方として大切です。Aの要素の中で1個でもBに入っていなければ。部分集合とは言えません

 また、集合Aの要素と集合Bの要素が全く同じの場合、集合Aと集合Bは等しいといい、A=Bで表します。

 ここから少し発展的なところと、今後の数学で使う発想について述べていきます。

 ①(昔の話ですので、「ふ~ん」と聞き流しても問題ありません)記号⊂の使い方の話です。

 昔(約30~40年前まで)は、部分集合に、真部分集合という考え方がありました。

 以前はA⊂Bとかくと、Bの集合の要素の数がAの集合の要素の数より多い場合(A=Bではない)とされていました。このとき、AはBの真部分集合とよばれていました。(区間などの例でも成立しますが、イメージしやすいように要素の数が数えられるもので説明しました)

 ですが、部分集合の定義が、Aの要素がすべてBの要素であるということですから、A=Bの場合でもA⊂Bは成り立ちます。?と感じた方は、A={1,2,3},B={1,2,3}としてみるとAの要素はすべてBに入っていることが分かると思います。逆にBの要素は全部Aに入っているのでB⊂Aともいえます。

 以上のことから、A=BとはA⊂BとB⊂Aを同時にみたしていることが言えます。

 2つの集合が同じ場合も記号⊂を使うので、真部分集合という言葉は使われなくなった。という話でした。

 もっと詳しく勉強したい方は、「A=BとはA⊂BとB⊂Aを同時にみたしている」ことを知っておくと役立つかもしれません。

 さて、②以降の大事な話をしようと思ったら文量が多くなり過ぎました。

 うまくまとめられずにすみません。続きは次回に。

 ②の内容は、次の項目「命題」につながるので理解しておくと役立つと思います。