元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

2つの集合の関係(2)・部分集合

 2つの集合の関係、2つめは部分集合です。

 普段の生活でも、「クラスの中で海外旅行に行った人」とか、「野球部員〇人の中で、ベンチ入りする人△人」、また、「クジラは哺乳類の仲間」などのように、あるグループの中で条件を満たす一部の集まり、という形で使われることがあると思います。このイメージを持っておくとよいでしょう。

 では、実際に数字を使った集合で考えてみます。次の集合を見てみましょう。

 

 この2つの集合A,Bについて、集合A∩Bを考えてみます。

 

 「かつ」ですので、AとB両方に入っているものを探します。

 すると、Aの要素である1,2,3はすべてBの要素に入っています。

 (この「すべて」が重要です)

 このように、集合Aの要素がすべて集合Bの要素であるとき、

 集合Aは集合Bの部分集合といい、次の記号を使って表します。

   

 ⊂の向きは、要素がたくさんあるほうに向ける、不等号と同じように考えるとよいです。また、次のようにベン図で表すと、もっとイメージがつきやすいと思います。

    

 AがBの中に包まれて、Bの一部分という感じがした人もいるのではないでしょうか。

 だから一部分、部分集合ととらえるとよいと思います。

 また、上に出てきた「包まれる」という言葉のように、どちらがどちらの部分集合かを答えることを「包含関係」を答えるという場合もあります。これは「ふ~ん」くらいでいいです。

 あと、2つの集合が等しいということを説明しておきます。集合Cが次のようなものだったとします。

 

 これを要素を書き並べる形で表すと、

  となり、Cの要素はAの要素と全く同じになります。

 このように2つの集合の要素が全く同じ場合、次の記号を使って表します。

  

 これは、数字の3=3のような使い方と同じなので理解しやすいと思います。

 この部分集合の話は、補足したいことがあります。(「ふ~ん」程度の内容になりますが)今日はとりあえずここまで。