今日からは2つ以上の集合の関係について考えていきます。
例えばスマートフォンを買うとしましょう。
機能が充実していて、しかも価格が安いとうれしいですよね。
しかし、2つともみたすとなると買える機種は限られてきます。予算の問題とかがあって。
そういうときは妥協して、昨日は多少劣るけど安いので我慢するか。というように、少なくとも一方はみたしていればよいと考えると、選択肢は広がります。
このように2つ以上の条件を考えて、選択肢は狭まるけど妥協せず最大限の満足を目指すか、最低限1つ望みが叶えばいいかと考えて選択肢を広げるか、というケースはよくあります。この発想を今やっている集合にあてはめます。
まず、2つの集合A,Bを考えます。
このとき、AとBをともにみたす要素の集合を「AとBの共通部分」といい、「A∩B」と表します。「AかつB」という呼ぶことが多いです。
集合を図で表す(ベン図といいます)と、次のようになります。
一方、AとBのうち、少なくとも一方をみたす要素の集合を、「AとBの和集合」といい、「A∪B」で表します。「AまたはB」ということが多いです。
2つを比べると、「かつ」のほうが「または」より範囲が少ないというイメージが持てたのではと思います。
いくつか注意点を。
「または」の集合を考える場合、「どっちか一方だけ」ではなくて、両方とも満たす場合も含めるということです。「両方ともだったら越したことないよね」と言うことがあると思いますが、そのイメージです。カウンセリングではよく使うテクニックです。
「両方あるにこしたことはないけど、どっちかあればいいと考えると楽だよね」という考え方でこだわりを緩めるときなどに使います。
こう考えると、集合って割と世の中に使われている考え方ではないでしょうか。
あと、∩と∪どっち使うか迷うという人もいると思います。
これは、まず「かつ」を覚えてください。
サンデーモーニングという番組のスポーツコーナーで、だらしないプレーにコメンテーターが「喝!」と強い口調で言うのですが、∩って、上から押さえつけるようにかぶせてるように見えませんか?
自分が現役のときは、喝のイメージで教えていました。
そういう冗談はさておき、集合は「かつ」を先に覚えてください。
この手の話はいくつかエピソードがあるので、また話したいと思います。
実際の数字を使った集合の話は次回以降に。