連立不等式(3)・A<B<C型(2)裏技が使えるとき
A<B<C型連立不等式の続きです。
前回は、2つの不等式に分けるという話をしましたが、この形の不等式でとある条件が満たされていると、わざわざ分けなくても解ける方法があるという話です。
それは、次のような式です。
3つの式の左側・右側の式が数字で、真ん中が1次式である場合です。
左側・右側が数字というのが大切なポイントです。
もちろん、以前説明した次のように分ける方法でも問題ありません。
では、どうやって分けずに解いていくかですが、
着目点は、「真ん中と右の式の組み合わせでどう解くか」を考えるということです。
言葉ではわかりにくいと思うので、次の式で着目する式を赤で囲ってみます。
真ん中と右の式を赤で囲みました。囲んだ式を取り出してみます。
囲んだ不等式を解くとしたら1を移項させますね。
このことは、両辺から1を引くことと同じです。
じゃ、同じことを3つの式の間でやってみようと考えるわけです。
ですので、各辺から1を引きます。式変形は以下の通りです。
真ん中と右の式だけだったらどう解くかを考えるとよいです。
同じように真ん中と右の式を取り出してみましょう。
xの係数2で割ったらよいですね。ですので、各辺を2で割ればよいです。
なお、xの係数で割るときには符号の確認を忘れないように。
今回はxの係数2が+ですので、不等号の向きは変わりません。
全部をくっつけて割り、答まで導いたのが次の式です。
よって、答は1<x<3となります。では、最初から通した答をご覧ください。
左と右の式が数字の連立不等式は、真ん中と右の式ならどう解くかを考えて、各辺を同時に式変形すれば、2つの不等式に分けなくても解けます。
では練習問題です。
なお、解答はこの技を使ったものになりますが、もちろん分けて解いて答えが同じになれば何の問題もありません。
(練習問題) 次の連立不等式を解きなさい。
(解)
ここまで、約半年にわたって、数学Ⅰ、数と式の単元にかかわる内容のブログを書いてきました。説明が分かりにくいところも多々あったと思いますが、ありがたいことにクレームもなく(そもそもほとんどこのブログを読む人も少ないのだが)なんとかやり遂げることができました。読んだくださった方ありがとうございました。
数学Ⅰには、「関数」、「三角比」・「データの分析」、あと数と式の中に「集合と論理」というジャンルがあるので、少し考えてから次の単元をどれにするか決めたいと思います。更新は、また気まぐれにやりたいと思います。