元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

1次不等式を解く(3)・解き方のパターンを覚える

 今日の内容が、1次不等式の基本形と言っても過言ではありません。

 しっかり理解できれば、多くの1次不等式が解けると思います。

 では、1次不等式を解く流れを見ましょう。

 ① x(文字)の項と数字の項をチーム分けする。

 ② xは左辺、数字は右辺に移項させる。

 ③ 計算する。<ここまでは不等号の向きは一切変わりません

 ④ 両辺をxの係数で割る。<ここで、xの係数の符号確認が大事です

 では、最初の例を見てみましょう。問題と解いた結果をいっぺんに載せます。

  

 まず1行目。文字の項(赤のアンダーライン)と数字の項(青のアンダーライン)に分けます。左辺にー1という数字の項があるので移項させます。

 2行目、移項させたー1の符号が逆になります。

 3行目、右辺を計算しました。ここまで不等号の向きは変わりません。

 最後、xの係数2で割ります。

 2は+の数なので不等号の向きは変わりません。6を2で割って答になります。

 特に大切なのは、最後xの係数で割るとき、+か-かを見ておくことです。

 +なら不等号の向きは変わりませんし、ーなら不等号の向きが変わります。

 次の例を見てみましょう。今度は移項が2つ必要です。

 1行目はチーム分けです。左辺のー1、右辺の5xを移項する必要があります。

 2行目、移項したー1、5xの符号が変わりました。

 3行目は計算です。ここまで不等号の向きは変わりません。

 最後、両辺をxの係数ー2で割りますが、ここでー2という-の数で割っているので、不等号の向きが変わります。今まで左向きだった不等号が右向きに変わって、答はx<-2となります。

 今回のポイントは2つです。

 ①〇x<△の形になるまでは不等号の向きを一切変えない。

 ②両辺をxの係数〇で割るとき、〇がーの数のときだけ不等号の向きが変わる。

 このことを覚えれば、今後少々複雑になっても解くことができます。

 では練習問題です。

 (練習問題) 次の1次不等式を解きなさい。

 

 (解)