元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

1次不等式を解く(1)・基本形および方程式との決定的な違い

 いよいよ、1次不等式を解いていきます。

 1次不等式はどのような形かをまず説明します。次のような形で表されます。

 

 整理したら、左辺が1次式、右辺が0となり、不等号で結ばれる形です。

 不等号は、反対向きの>や=のついた形の場合も含まれます。 

 また、方程式なら不等号のところが=になりますので、1次不等式の=が不等号に変わっただけという感覚でもよいでしょう。 

 前回ちらっと言いましたが、1次不等式は1次方程式の解き方とほとんど同じです。

 1次方程式の目指す形は、〇x=△の形を作り、両辺をxの係数〇で割ればよいです。念のため例を1つ見せておきます。

 

 1次方程式の基本形をしっかりおさえておきたい方は、↓ の過去の記事を見てください。

1次方程式の原則・目指せ〇x=△の形 - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

 1次不等式も、1次方程式と比べて=と不等号の違いだけなので、目指す形はほぼ同じです。その目指す形とは、(不等号のパターンはいろいろあります)

 〇x<△の形を目指す→両辺をxの係数〇で割る です。

 左辺はx(文字)、右辺は数にする。という方針は方程式と同じです。

 ただし、これまでの説明でアンダーラインを引いたところがあります。

 両辺をxの係数〇で割る のところです。ここが最大の注意点です。

 これまでやってきた不等式の性質で、

「両辺を①マイナスの数②割ったとき不等号の向きが変わる」というのがありました。ですから、割る前にxの係数の符号を見る必要があります

 その点に注意しながら不等式を解いてみましょう。

 また、方程式と解き方を比べてみましょう。

 

 解き方はほとんど変わらないのがお分かりになると思います。

 特に注意してほしいのが、xの係数が+であることを確認して、不等号の向きを変えないところです。1次不等式はこの確認を怠らなければ、1次方程式と同じような構想で解くことができます。とにかく、xの係数の符号を見る。これにつきます。

 では、xの係数が-の数の例を見てみましょう。

 

 注意点は、不等式の最初です。

 xの係数ー2はマイナスですので、両辺をー2で割ったときに不等号の向きを変えなくてはいけません

 ところで、不等式の解は、不等式を満たすxの範囲を答えます。

 3とかー1など数そのものを答えるわけではないです。(なお、不等式の中には数字だけが答えの例もあります。1次不等式単独では範囲を答えればよいです)

 しついこいようですが、不等式の場合は、両辺を割る前に係数の符号の確認を忘れずに。では、この形の練習問題です。

 (練習問題) 次の1次不等式を解きなさい。

 

 (解)