元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

1次不等式を解く(5)・2つ以上分数があるときは両辺に分母の最小公倍数をかける

 1次不等式の問題も後半に入ってきました。

 今回は、分数が係数の問題です。

 ↓ の1次方程式のときに、分数が係数のケースについて書きました。

1次方程式を解く(3)・係数が分数のときは両辺に分母の数をかける - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

 ↑ は分数が1つの例でしたが、今回は分数が2つのケースです。

 この場合のポイントは、タイトルにもあるように「分母の最小公倍数」を両辺にかけて、係数を整数にすることです。

 今回のパターンを知れば、1次方程式にも使えるので覚えて損はないでしょう。

 では例題です。

 

 係数が分数ですので、両辺に同じ数をかけて係数を整数にします。 

 問題は何をかけるかということですが、

 着目する数字は分母の6と4です。

 この2つの数字の最小公倍数12をかけます。

 どうしても困ったら、6×4=24もありかもしれませんが、まずは最小公倍数をかけるという原則をしっかりおさえましょう。

 この問題は次のように解いていきます。

 

 2行目、両辺に12をかけます。このかき方のように( )をつけた式をかくのをおすすめします。

 3行目、係数が整数になったのでチーム分けです。

 左辺にいる数字-12を右辺に、右辺にいる3xを左辺に移項させます。

 4行目、移項すると式の符号は変わります。

 5行目計算しました。

 ここまでは、不等号の向きは変わりません。

 ここでxの係数をみます。

 xの前に-だけがあります。

 1が省略されてるということなので係数はー1です。

 つまり-で割るので不等号の向きが変わります。答はx<-12となります。

 1次不等式は係数を整数にすれば、あとは左辺にx(文字)の式、右辺に数字を集めて、両辺をxの係数で割ればよいです。

 ただ忘れてはいけないのは、xの係数で割るときの符号の確認です。

 しつこいようですが、最後が一番注意です。

 では、練習問題です。

 (練習問題) 次の1次不等式を解きなさい。

  

 (解)