前回 ↓ の続きです。
不等式の性質(3)・よくある問題(1) - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」
さっそく問題を見てみましょう。
前回は、たす、ひく、かける、わるの1操作だけでしたが、今回は2つの操作が入っています。
でも、原則は変わりません。
不等号の向きが変わる例外を今一度確認しましょう。
不等式の両辺に、①負(マイナス)の数を、②かけたり割ったりしたとき
この2つの条件をともに満たしていないと変わりません。
では、2aー3はaからどういう操作をしているのか考えてみますと、
aを①2倍して、②そこから3をひく です。
それでは両辺の操作を見ていきましょう。
特に注意してほしいのは、最初に+の数字2をかけているので、不等号の向きが変わってないところです。
そのあとで、たしたり引いたりしても不等号の向きは変わらないので、実質+か-のうちどっちをかけるか割るかさえみればよい。ということです。
で、かけるか割るかの操作は、文字の前の数を見ればよいです。
a×2は、2aとかきますし、b×(-3)は ー3bとかきます。
つまり文字の前(わり算なら分母)をみて、そこに-がなければ不等号の向きは変わらない。とやればよいのです。文字の前の数について、符号だけを見ればよいのです。
この例なら、2aー3のaの前の数、2は+だから不等号の向きは変わらない。すなわち<とすればよいです。
もう一つ例を見ます。これも見るポイントは1つです。
同じくa<bとします。
解説は以下の通りです。
操作は、両辺を①ー2で割って、②5をたす ということですが、ポイントは①のーの数字で割ったところですので、不等号の向きが変わり、答は>です。
見たところは分母のー2だけです。あとは関係ありません。
それでは今日のポイント。
この手の問題は、文字の前か分母の数字を見る。
そこにーがついてるときだけ不等号の向きが変わる。です。
では、練習問題です。
(練習問題)
(答)
次回から、いよいよ1次不等式を解いていきます。
解くときには1次方程式の考えを使うので、心配なら「1次方程式」カテゴリのページを見ておくとよいでしょう。