元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

全体集合と補集合(1)・補集合とは

 今日から補集合についてやっていきます。

 補集合とは、すごくざっくり言うと「~でない」集合です。

 「部活動に入っていない生徒の集合」とか「奇数でない数の集合」とかをイメージしてもらうとよいです。

 ですが、数学で補集合を考えるには、基準となる「全体集合」というものを考える必要があります。例えば、「1年生の中で、部活動に入ってない生徒」というようなものです。この場合は「1年生」が全体集合となります。

 この説明で「?」と感じた人は、アンケートをイメージするとよいかもしれません。

 例えば、10代の女性にアンケートをとったとします。アンケートの対象は10代女性になりますが、対象が全体集合と考えればよいです。

 あと、全体集合を考えないのに補集合は作れません。例えば、全体集合を準備せずに「偶数でないものの集合」とやってしまうと、1,3などの奇数だけでなく、1.5などの小数、はてはイカといった生き物まで考えることになり収拾がつきません。ですので、一定の基準となる「~の中で」にあたる全体集合を考えることが必要があるのです。

 話が飛び過ぎたので、補集合とは何か説明します。なお、使用する記号の関係上文字化けを防ぐため、画像データで説明します。

  

 ベン図では、次の斜線部のところになります。Aに入っていないということがイメージできたでしょうか。

   

 では、例を使って説明します。

  

 ここでAの補集合とは、全体集合・1から9までの自然数の中で、Aに入ってないものの集合です。ですので、1から9までの自然数でAに入っている、2,3,5,7を除けばよいということになります。

 分かりにくければ、次の図のようにいったん1から9まで並べておいて、Aに入ってる数字に斜め線などを引き、斜め線の入ってないものを答えるとよいでしょう。

   

 ベン図では、下図のようになります。図でもイメージはつきましたか?

  

 では、久しぶりの練習問題です。