ここからは、命題に関する応用編およびコラム的な話題を述べたいと思います。
ですので、今回話す問題がさっと解ける方は、欠点の心配はゼロです。
今後、命題に関する練習問題もありません。
今日のテーマは、命題の真偽を判定するとき、対偶を使うと苦労が少なく判定できる場合についての紹介です。
まず、何度か言ってきましたが、重要ポイントの確認です。
「もとの命題と対偶の真偽は一致」→すなわち、
「もとの命題が真なら、対偶も真」→「対偶が真ならもとの命題も真」
という考え方を使います。
つまり、「もとの命題の真偽が判定しづらいときに、対偶を使うといいよ」という話なのです。
では、対偶を使ったほうが良いケース、つまりもとの命題では判断しづらいのはどういった場合でしょうか?
大きく分けると、次の3つのケースでは対偶を使うほうが良いと思います。
①「~でない」が入っている
②「または」が入っている
③「少なくとも1つ~」が入っている
今回は、①だけ例題を用いて取り上げます。
②・③の理由を簡単に言えば、否定を考えたほうが考えるケースの数が減る。ということです。
では、①の例が使える問題を見てみます。次の命題の真偽を答えましょう。
「~でない」を示すのは大変です。このケースで素直に考えると、2乗したら1でないものについて調べる必要がありますが、すべての数を調べるのは不可能です。
このように「~でない」が出てきたときに、否定が出てくる対偶を使うと、
「~でないの反対は~である」が出てきて、状況が分かりやすくなります。
(昔、天才バカボンで、バカボンのパパが「反対の反対は賛成なのだ~」とよく使ってました。あ、年代がばれる)
では、この命題の対偶をとってみます。
x=1だけのケースを考えればよいので、一気に楽になりました。
x=1なら2乗すると1になる。明らかに正しい、真ですね。
あとは、対偶が真だからもとの命題も真である。と一言書けばOKです。
「~でない」があったら対偶を考える。覚えておくとよいと思います。