条件の否定としては少し面倒ですが、この考え方を知っておくと、特に数学Aの確率の分野「余事象」というところで役に立つので書いておきたいと思います。
ちなみに余事象の意味ですが、「~する確率」に対して「~しない確率」を求めるとき、もとの余事象の確率を求めたといいます。
では、今回のテーマについて、次のような例を考えてみましょう。
あなたは、縁日の輪投げコーナーに行きました。
輪を3回投げてその結果によって賞品がもらえるのですが、
① 1回でも入れば粗品がもらえる。
② 3回とも入れば、いい景品がもらえる。 だったとします。
そのとき、賞品をもらえない場合、つまり否定の条件を考えようということです。
まずは①です。
3回投げたうち1回でも入れば賞品をもらえます。
こういうケースを、「3回のうち少なくとも1回入る」と言い換えられます。
この「少なくとも1つ~」という言い方は今後もよく出てきます。覚えましょう。
ということは、賞品をもらえないのは、
「3回とも入らない」ケースということになります。
これを言い換えると「(3回とも)すべて入らない」とできます。
まとめると、
「3回のうち少なくとも1回入る」の否定は「(3回とも)すべて入らない」です。
ポイントは太字の部分、「少なくとも1回」が「すべて」に変わり、
アンダーラインのところが「入る」から「入らない」と否定されていることです。
では、②のケースで賞品をもらえないのはどんなときでしょうか。
まず賞品がもらえる場合を「すべて」を使って書き表すと、
「(3回とも)すべて入る」です。
ということは、3回中1回でも入らなければ賞品はもらえません。
これを「少なくとも1回」を使って表現すると、賞品をもらえないのは、
「(3回中)少なくとも1回入らない」ことになります。
①で述べた点に着目すると、
「すべて」が「少なくとも1回」に変わり、アンダーラインのところが「入る」から「入らない」と否定されています。
この、①・②のことから、「すべて」や「少なくとも1回」が入った条件の否定は、まとめると、次のようにするとよいことが分かります。
身近にありそうな例から、否定の作り方のイメージは身につきましたか?
今回は練習問題はありませんが、この考え方を覚えておけば、今後役立つことがあると思います。数学では確率のときに。人生でも判断基準の一つとして使えるでしょう。