元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

条件の否定(3)・「かつ」「または」の否定(1)・考え方のもと

 今回の内容は、まず実用例を見せてイメージさせることから始めます。

 そのため、実際の問題練習は次回のブログに書きます。

 ですので、今日は考え方をしっかり身につけてください。

 

 では、こちらで状況を作ります。

 あなたは、ある資格を取るための試験を受けるとします。

 試験科目は「筆記」と「面接」です。

 それぞれ別々に採点され、その得点によって合格が決まるとします。このとき、

 (1)「筆記」または「面接」のうちどちらか一方が合格ならば資格が取れるケースを考えます。

 では、このケースで資格が取れないのは試験結果がどういうときでしょうか。

 どちらか1つでも合格していれば資格が取れるわけですから、取れないのはどちらも合格しなかった場合になります。

 これを言い換えてみましょう。

 「筆記が合格または「面接が合格」のとき資格が取れる。

 これを否定する(資格が取れない)場合というのは、

 「筆記が合格しない」かつ「面接が不合格」のとき資格が取れない。ということが分かります。

 ここで数学的に考えてみます。

 「筆記が合格する」をp、「面接が合格」をqとすると、

 資格が取れる場合は「pまたはq」を満たすことになります。

 ダメなのは、「pの否定かつqの否定」の場合です。

 特に色のついた、「または」から「かつ」への変化に気をつけてください。

 

 では、(2)「筆記」と「面接」の両方が合格したときだけ資格が取れるケースはどうでしょう。

 余談ですが、臨床心理士の場合は、「筆記」と「面接」両方受からないと資格がもらえません。(筆記が受かった場合のみ面接試験に進めることができ、面接が受からなければ来年筆記試験からやり直しです)

 これも言い換えてみると、資格が取れる場合は

筆記が合格かつ「面接が合格」のとき資格が取れる。

 これを否定する(資格が取れない)場合というのは、1個でも不合格だとダメということなので、

 「筆記が合格しない」または「面接が不合格」のとき資格が取れない。ということが分かります。

 ここで(1)のケースのようにp、qを使って表すと、

 資格が取れる場合は「pかつq」を満たすことになります。

 ダメなのは、「pの否定またはqの否定」の場合です。

 

 では、(1)・(2)のことをまとめてみましょう。

  

 言葉でまとめると、否定を作るには、p、qをそれぞれ否定して、「または」と「かつ」を入れ替えたらよい。ということになります。

 今日はこのイメージをしっかりおさえてください。問題を解くのは次回に。