元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

条件の否定(2)・範囲

 条件の否定の作り方、今回は範囲です。

 xは1より大きいとか、3以下などです。では、さっそく次の条件の否定を作ってみましょう。

 「x>4」

 

 文章にすると「xは4より大きい」だから、否定は「xは4より小さい」。すなわち式にして、「x<4」とやりたくなります。

 だって、小学校では「大きい」の反対の意味は「小さい」って習いますもんね。

 しかし、数学のテストでは不正解です。

 正しい答は

  です。

 大切な点は2つ。特に②が間違えやすいです。

 ①不等号の向きが変わり、②=がない→=があるに入れ替わる です。

 (②でもとの条件に=があれば、否定すると=がなしになります)

 答が「x≦4」になった理由を、数直線を見ながらおさえておきましょう。

 まず、x>4を数直線で表すと、

  となります。

 範囲は4の右側なので、否定、そうでないとなると、4の左側(4より小さい)なのは問題ありません。

 しかし、注意しなければいけないのが境界(~よりのところ)にあたる4です。

 もとの条件は4より大きいでした。

 4は4より大きいわけではありません。

 つまり、4は条件を満たしていないので、否定のほうに入ります。

 図で表して確認してみましょう。(赤がかかれたのが答です)

  

 もとの条件(黒でかかれた)と否定(赤でかかれた)を比べて、範囲の向き、〇と●の違いをおさえてください。

 ちなみにこの考え方は、集合・補集合の考え方でも使われます。

 全体集合Uを実数全体(数直線上の数すべて)として、集合Pを

 とすると、Pの補集合は

 と表されます。集合で学んだことと同じように使えます。

 では、練習問題です。不等号の向きと=のあるなしに気を配りましょう。

 

 (練習問題)次の条件の否定を答えなさい。

  

 (答)