今日は、前回のブログの最後に書いた、答が同じになる不思議の話です。
この話は発展の部分に入るので、「ふ~ん」と読み飛ばしても問題ありません。
ただ、教科書に載ってなくても話をしたりする教員もいたり、教材で使われる問題集に載っていたり、この知識があれば問題解くのに少し楽できる面もあります。
その知識、というか定理の名前がタイトルに書いてあります。
それは「ド・モルガンの定理」です。(「ド・モルガンの法則」とも呼ばれます)
さっそくその定理を見てみましょう。
イメージとしては、補集合を表す-が切れるかつながるかで変わると、∩と∪が入れ替わると覚えていただけるとよいです。
では、この定理が成り立つことをベン図で示します。
(なお、大学の数学科でこの証明をやったら叱られます。学生のときクギ刺された)
左側の定理から説明します。
↑ 赤の部分と青の部分を重ねた図です。これを(※)としておきます。
共通部分なので、両方塗ってるところ(×)の部分をとったのが次の図です。
もう一度(※)の図に戻ります。次は、右側の式です。
たくさんの図が出て、分かりにくいところがあったかもしれません。
補集合ですので、最後は塗ってないところに着目するとよいです。
この定理が成り立っていることを、前回の練習問題で確認してみましょう。
ちなみに、前回の練習問題と答は以下の通りでした。
(答)は ↓ です。
(1)・(4)の答、(2)・(3)の答がそれぞれ同じで、定理が成り立っていることが確認できたでしょうか。
ちなみに、定理の名前となっている「ド・モルガン」は19世紀に活躍した数学者の名前です。数学者は自分で定理を発見すると、自分の名前を付けることが多いです。有名どころでは、ピタゴラスの定理がありますね。
ところで、試験ではもう少し面倒くさい集合の要素を求めることもあるのですが、補集合に関する話は今回でいったん終了とします。とりあえずここまでできれば十分だと思います。