2次関数に本格的に入る前に、今後よく出てくる言葉の説明をしておきます。
実生活では、年齢制限をはじめとして、物事にいろいろな範囲がついてきます。
例えば自動車免許をとれるのは18歳以上、体重の階級があるスポーツなら、〇kg以上△kg未満など、範囲が定められていますね。
これと同じように、関数やグラフも〇から△までというように範囲を決めることがあります。関数は、x1つ決めればそれに対してyが1つ決まる。という関係でしたので、xの範囲が決まれば、それに対応してyの範囲も決まります。そこで、
xのとる範囲のことを定義域(ていぎいき)、
yのとる範囲のことを値域(ちいき) と呼びます。
中学校では、xの範囲、yの範囲という言い方をしていましたが、高校数学以降は、定義域、値域という言い方をすることが多いです。(特に定義域は覚えてください)
では、例をあげます。
y=2xという関数があったとします。
この他に何も書かれなかったら、xはすべての数(実数)をとることになります。
しかしここで、xの範囲をー1≦x≦2に制限したとします。
このようにxの範囲に制限があるときは、式の後に( )内に定義域を示します。
(次の図の、式の表現方法のところを見てください)
この場合、グラフはどうなるかを次の図で示します。なお、いろいろな内容がグラフにくっついているので、順に説明していきます。
まずグラフを見ると、実線(つながった線)でかかれている部分と点線でかかれている部分に分かれています。
実線でかかれている部分の横(x)の範囲(x軸上のピンクで書かれている直線部分です)を見ると、ー1≦x≦2です。この部分が関数の定義域となります。定義域に含まれる範囲のグラフのところだけ実線でかきます。定義域に含まれない範囲のグラフは点線でかきます。実線でかく部分と点線でかく部分の違いは分かりましたか。
今度は、実線でかかれている部分の縦(y)の範囲(y軸上の水色で書かれている直線部分です)を見ると、ー2≦y≦4です。この部分が関数の値域となります。
定義域と値域で使われる文字の違いを確認してください。定義域がx、値域がyです。
次に、最大値と最小値についてです。
高校数学で「最大値と最小値を求めなさい」と問われた場合、基本的には「yの」ということになります。つまり、グラフの一番上の部分が最大値、一番下の部分が最小値です。要はグラフの縦で、一番高いところと低いところを見なさい。という意味です。
このグラフの例では、実線部分で(ここ重要)一番高いところはyが4、一番低いところはyがー2となっていますので、最大値は4、最小値はー2となります。ちょうど値域のー2≦y≦4で出てきた両端の値と同じですね。
なお、最大値・最小値を求めるときは、それぞれの値をとるときのxの値を示すことが一般的です。この場合、最大値4をとるときのxの値は2、最小値ー2をとるときのxの値はー1ですので、それぞれ、
x=2のとき最大値4、x=ー1のとき最小値ー2 と答えます。
このように、x、yの順で答えるほうが分かりやすいと思います。理由としては、グラフで最大値のところの点の座標を見ると、(2,4)でちょうど座標のかき方の順と、最大値の表現の順が一致しているからです。(最小値も同様です)
教員によっては、最大値4(x=2)と、最大値を答えたのち、そのときのxの値を書く方法を教える人もいますが、個人的には座標の順で書くやり方をおすすめします。たいていの教科書は、x=〇のとき、最大値△という書き方をしています。
あと注意点として、最大値・最小値は範囲の端にあたる数字が含まれている場合に限ります。(要は範囲に=が含まれているということです)この点については重要なことなので、理由を含め今後説明していきます。
今回は、グラフを見て定義域や値域を求める方法を説明しましたが、次回は定義域が分かれば値域を計算で求める方法について説明します。