傾きの数字は何を表しているか
ここ何日か絶対値の話をしてきましたが、今回の話や、今後2次関数が出てきたときの話に使いたかったので遠回りしました。流れを切ってすみません。
では、今日のテーマ、傾きの数字とグラフの関係についてです。
まずは、次の図を見てください。
赤・青・緑の直線のグラフを比べると、傾きの値の大きい(2→1→1/2)順に直線の傾きが大きく(急に)なっていることが分かると思います。坂をイメージすると分かりやすいかもしれません。
ところで、傾きの比較ではy切片は関係ありません。次の図のように、y切片が変化しても、傾きにあたる部分の数字(y=ax+bのaのとこです)が同じなら、傾きは同じですので、上の図ではすべてy切片を0の式にしています。(なお、この考え方は数学Ⅱの直線の方程式という単元で出てきます)
では、傾きが負、-のときはどうでしょうか。次の図を見てください。
今度は、傾きの値が小さいほど(ー2→ー1→-1/2)傾きが大きい(急)であることが分かります。
ここで、絶対値を使って表してみましょう。
赤・青・緑の傾きの絶対値は、それぞれ2・1・1/2です。
すると、傾きが+だったときと合わせると、
傾きの絶対値が大きいほど、直線の傾きは大きい(急)
であることが分かります。
こういうときに絶対値は便利です。
ところで、この直線の傾きの考え方を実生活で生かしている例があります。
それは、列車のダイヤグラム。時刻表です。
特急列車や普通列車など、列車が出せる速度は決まっているので、それ以上の速度にならないよう(傾き)を調整して、直線を引いたものがダイヤグラムになります。
機会があれば、ダイヤグラムの考え方を話せたらいいと思います。もっとも、本物のダイヤグラムを手に入れるには、鉄道イベントとかで買わないといけないので、この話ができるかどうかは分かりません。
今日は、傾きの絶対値が大きいほど、傾きは急。ということを知っていただけたらと思います。