元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

1次関数のグラフ(3)・傾きが分数のとき

 分数が苦手という高校生をたくさん見てきました。

 小学生のときにつまづいたまま、ずっときた部分もあったと思います。

 そういう生徒でも、数学的な意味を伝えていけば、少しでも高校数学を理解することができます。今日はそのことを踏まえつつ、傾きが分数の場合の直線のグラフのかき方について説明します。例を見てみましょう。

 

 1次関数・直線のグラフは、傾きとy切片をおさえます。

 傾きが2/3、y切片がー1で、グラフはまずy切片からかくので、y軸上にy座標がー1になるところをとります。下の(図1)のようにとります。

 (図1)

  

 次に傾き2/3です。傾きの定義は(yの変化量/xの変化量)ですから、問題の式の後の説明に合った通り、xが3増えるとyが2増えるようにかきます。したがって、さっきとった点から右に3、上に2進めばよいです。(図2)

 (図2)

  

 あとは、とった2点をつなげて完成です。(図3)

 (図3)

  

 傾きの値が分数になっても、これまで通り傾きとy切片を確認して、y切片をとったのち、その点から分母の数だけ右移動、分子の数だけ縦移動したらよいです。

 え、傾きが分数でマイナスのときが心配?

 こういう心配のために、1つだけ例をあげます。

 ただ、グラフを一気にかいた後で補足説明の形にしますね。

 

 

  

 グラフは、まずy切片の2をy軸上にとります。

 傾きがー4/3ですが、符号の-はy側(分子)につけるのがポイントです。

 すると、xが3増えると、yは4減るとなりますので、y切片の点から右に3、(-がついているから)下に4進んだ点を取ればよいです。横方向は常に右に固定しておくと、最初の操作を間違えにくいのでよいでしょう。

 これで、1次関数の基本的なグラフのかき方の説明は終わりです。

 ただ、学校によってはy切片はともかく、もう1点のとり方を別の方法で説明しているところもあるので、その説明を次回したいと思います。