元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

座標(2)・数直線の復習(2)

 前回、数直線上にある点について、座標の表し方を説明しました。

 今回は、座標で表された点を数直線上にとる(図示)練習です。

 例題です。点 A(3)を数直線に表してください。

 

 では、解答です。少し回りくどい説明になりますが、お許しください。 

 ポイントは、①向きと、②どれだけ進むかです。

 向きは、+なら原点から方向、-なら原点から方向に進みます。

 最初に数の符号を見ます。A()、3のことですから、原点からに進みます。

 基準となる(どこからスタートするか)原点の位置が分かりにくければ、下のように、原点Oのところに指をおいても構いません。

  

 進む方向が右と決まったので、書いてある数、3目盛りだけ右に進みます。

 このとき、指も1目盛りずつ数えながら動かすとより分かりやすくなると思います。

 進んだら、下の図のように●を書いてください。       

 図の中にある赤の矢印は、全くかく必要がありませんが、何目盛り進んだかが分からないという場合はかいておいてもよいです。(慣れればかかなくても分かるようになりますので、最初の助けとして、かくのは良いと思います)

 最後に、かいた点の上にAとかいて完成です。(下図)

 

 もう一問やってみましょう。点 B(ー2)を数直線上にかいてみましょう。

 まず、数の符号を見ます。がついているので、原点からに進みます。

 書いてある数字は2ですので、左に2目盛り分進んで点をとります。

 

 点の上にBとかいて完成です。

 今日のまとめです。

 ①符号を見て進む向きを決める。②(+→右、-→左)書いている数字分だけ進む。

 この流れを覚えましょう。あと、AやBなどをかくのを忘れずに。

 なお、かいてある数字が0のときは、原点のところに点をかけばよいです。では、練習問題です。

 (練習問題)次の各点を数直線上に表しなさい。

 A(1),B(4),C(ー3),D(0)

  

 

 (答)

  

 



 

座標(1)・数直線の復習(1)

 関数といえば、グラフをかくというのがセットとなっています。

 グラフをかくには、座標が分かって点をとれなくてはいけません。

 そもそも、座標って何?という人もいるかもしれませんね。

 今日はグラフをかくのに必要な、点の取り方の基本を学びましょう。

 

 まずは、数直線の復習です。

 1次不等式の範囲に関する説明でも使いましたが、念のため。

 数直線をもう一度確認したい方は、 ↓ のページを見てください。

xと数の大小関係を図示する(1)・基本形 - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

  

 まずおさえておくのは原点です。基準となる点です。

 その原点から与えられた点が、どの方向どれだけの大きさ離れているかを表したのが座標です。座標は、点の位置関係を知るための道具だと思ってください。

 方向が大事ですので、原点から右に行けば+左に行けばーと向きを決めました。

 JR名古屋駅で新幹線乗るとき、上りに乗れば東京方面、下りに乗れば新大阪方面に行くみたいなものです。

 また、基準の大きさ(距離)も必要です。ものさしの1cmなどをイメージするとよいと思いますが、長さ1の基準は自分の都合の良いようにとってかまいません。

では、実際に数直線上に点をとったものを見てみましょう。

  

 数直線上に2つの点、A,Bがあります。

 この2つの点を座標に直す方法をやってみます。

 大事なのは、原点(0のところ)から

 ①どちらの向きに ②どの大きさだけ離れているか をおさえます。

 まずAは、①原点より右にあります。ですのでになります。

 次に②何目盛り進んでいるか見ると3目盛りです。

 ですので、Aは3の位置にあります。これを、A(3)と表します。

 

 続いてBです。

 ①原点より左にありますので、がつきます。

 ②原点より左に2目盛り進んでいるので、B(ー2)と表せます。

 なお、原点はO(0)と表すことが多いです。

 座標を表すときの+,ーは原点からどちらの方向なのか。これをおさえておくとよいですね。

 では、数直線上の点を見て座標で表す練習をしてみましょう。

 

 (練習問題) 次のA~Dの点を座標で表しなさい。

  

 

 (答) A(2)、B(ー4)、C(ー1)、D(5)

 

 次回は、座標で表された点を数直線上に表すことをしてみましょう。


 

 

 

 


 

 

 

 

関数の値・代入(3)・便利な技

 これまでやってきた代入の計算で、これを知っておくと、計算にもグラフをかくときにも役立つ技の紹介です。なお、今日は練習問題はありません。

 この技を使える状況と結果を説明します。

 使える状況はf()、すなわちx=0のときのyの値を求めるときです。

 その時の結果は、式の定数項を答えればよいです。

 代入の原則、xを( )に変える→数字をあてはめる、の作業を省略できます。

 言葉だけだと分かりにくいので、例をあげます。(前回の練習問題です)

 

 このf(0)の値が、与えられた式の定数項ー1になるということです。

 その理屈を、実際に代入することで確かめてみましょう。

 

 もとの式で、文字xだった部分(アンダーラインのところ)は、0のかけ算が入ったことで0になります。

 なので、代入する部分の影響を受けない、定数項だけが残るという理屈です。

 他の例も見てみましょう。

 

 どの例でもf(0)の値は、与えられた式の定数項になっています。

 この技を知っておくことのメリットは、(あくまで私見ですが)大きく2つです。

 ①計算の手間が減り、速くミスなく答えが出せる。

 ②グラフの通る点を素早くとれる。

 

 ①は明らかだと思います。計算も省略できて、式の一部分だけを答えたらよいのですから。

 そして②です。これは、グラフをかくときにすごく役立ちます。

 f(0)の値、x=0のときのyの値は、グラフではy軸上にとる点の数になります。

 グラフをかく問題は、グラフを通る点を・で明示する必要があるので、そのとき確実にかけるのは大きいですね。

 また、y軸上の点はグラフがちゃんとかけているかをみる際、重要な点となります。

 ぜひ、f(0)、x=0のときのyの値は式の定数項 を覚えて役立ててください。




 

関数の値・代入(2)y=f(x)型

 これまでの関数は、y=(xの式)の形で書かれていました。

 今回は関数の新しい表し方、f(x)=(xの式)について説明します。一例をあげてみましょう。

 これまで→y=2x+1 今回→f(x)=2x+1

 yがf(x)に変わっただけです。

 f(x)と書くことで、この関数はxの(を使った)関数ということが分かりやすくなります。今後、f(t)=2t+1などx以外の文字を使うことも出てくるので、この機会にどの文字の関数かという意識をおさえておくとよいでしょう。

 あと、今後は2つ以上のグラフの比較が出てくるので、その際全部y=の形で書くより、f(x)=2x+1、g(x)=2x-3のように、区別がつきやすく書くほうが分かりやすいと思います。関数にf(x)さんなど名前を付けるというイメージです。

 関数では、xの値が決まるとyの値が決まっていましたが、f(x)=(xの式)の形のときはどうするのでしょう。それは次のように決めます。

 

 関数y=f(x)において、x=aのときのyの値をf(a)で表す。

 

 具体的な例で話をします。

 f(x)=2x+3のとき、f()はx=代入して計算しなさいということです。

 代入ですので、前回学んだ内容と同じようにできます。比較してみましょう。

 

   

 文字を( )に変える→f(〇)と書かれている数字(〇)をあてはめる→計算

 という流れでできることがイメージできたでしょうか。

 とにかく、f(〇)となっている、〇の数字を代入するという理屈が分かっていればよいです。

 これからはxの式が2次式、いわゆる2次関数を扱っていくので、その式で練習してみます。次の例を見てください。

  

 テストの解答には、①と②の作業をまとめて②の部分だけ書きますが、代入の理屈の説明のため分けて書いています。

 f(ー1)ですので、xにー1を代入したらよいということが分かります。

 しつこくなりますが、

 f(〇)と書かれている数字(〇)をあてはめる

 が分かっていれば大丈夫です。では、練習問題です。

(練習問題)

  

 

 (答)

  

 




 

関数の値・代入(1)(基本形)

 お待たせしました。

 関数のジャンルに入って初めてと言ってよい、まともな計算のやり方です。

 今日は関数の値の計算の仕方、代入について学びます。

 グラフの点を正しくとるのにも有効な計算方法ですので、しっかり覚えてください。

 代入の問題というのは、次のような問題です。

 

 パターンは、関数(y=2x+3)があって、xの値が指定された(x=1)とき、その時のyを計算するというものです。

式のxに数字をあてはめるので、代入といいます。

 この問題を解くには流れがあります。まず、次の流れを覚えてください。

 ① 文字xを( )に変える

 ② ( )に指定された数字をあてはめる

 ③ 計算する

 ↑ の流れを覚えてください。では、さっそくこれに従って解いてみます。

 

 上の段から補足説明します。

 ①まず、xだけを( )に変えます

 あとの数字や記号(+、ー、×、÷、( )など)は変えません。

 このとき2xのように、xを( )に変えると、2( )と変わり、数と( )が隣り合う場合は、間に・または×(かけ算記号)を入れます。そうするとミスが減ります。

 ②次に指定された数字を( )にあてはめます。

 今回はx=1ですので、( )に1を入れます。

 ③最後にできた式を計算します。y=2・1+3ですので、計算して5です。

 

 代入は中学校でも出てきましたが、ほとんどの人はxを( )に変えるという説明を受けず、問題集の解答でも次のような式で説明されたりしてなかったでしょうか。

  

 そして、代入するときの値がマイナスのときは( )をつけて代入すると習った人が圧倒的だと思います。次のx=ー2のような場合です。

 

 これはあくまで私の考えですが、~のときはつける、~でないときはつけない、のような条件によってやり方を変えるより、どういう場合でも成り立つパターンを覚えるほうが使いやすいと思っています。プラスだからつけないではなく、プラスでもマイナスでも、はたまたa+1のような文字式になっても、まず( )に変えるという方法は使えます。念のため、( )に変えてから解く方法を、このx=-2の場合に適応させると、

 

 となって計算できます。

 なお、解答を書くときは①と②の作業をまとめて、②だけ書けばよいです。問題集の解答もそうなっていますが、代入が苦手という人は、まずワンステップずつということで、( )にまず変えて全部の式を書いてからのちに代入する方法をおすすめします。

 このように( )に変えて、と強調したのは、次のような書き間違えをを防ぐためです。x=ー5を代入するとして、

 

 ( )をつけないと、計算が違うということで誤答となってしまいます。

 理屈は分かっているのに、書き間違いで点を落とすのはもったいないですね。

 なので、代入では文字をまず( )に変える。その後、数字をあてはめるを心がけておきましょう。では、久しぶりの練習問題です。

  

 

 (答)