元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

関数の値・代入(3)・便利な技

 これまでやってきた代入の計算で、これを知っておくと、計算にもグラフをかくときにも役立つ技の紹介です。なお、今日は練習問題はありません。

 この技を使える状況と結果を説明します。

 使える状況はf()、すなわちx=0のときのyの値を求めるときです。

 その時の結果は、式の定数項を答えればよいです。

 代入の原則、xを( )に変える→数字をあてはめる、の作業を省略できます。

 言葉だけだと分かりにくいので、例をあげます。(前回の練習問題です)

 

 このf(0)の値が、与えられた式の定数項ー1になるということです。

 その理屈を、実際に代入することで確かめてみましょう。

 

 もとの式で、文字xだった部分(アンダーラインのところ)は、0のかけ算が入ったことで0になります。

 なので、代入する部分の影響を受けない、定数項だけが残るという理屈です。

 他の例も見てみましょう。

 

 どの例でもf(0)の値は、与えられた式の定数項になっています。

 この技を知っておくことのメリットは、(あくまで私見ですが)大きく2つです。

 ①計算の手間が減り、速くミスなく答えが出せる。

 ②グラフの通る点を素早くとれる。

 

 ①は明らかだと思います。計算も省略できて、式の一部分だけを答えたらよいのですから。

 そして②です。これは、グラフをかくときにすごく役立ちます。

 f(0)の値、x=0のときのyの値は、グラフではy軸上にとる点の数になります。

 グラフをかく問題は、グラフを通る点を・で明示する必要があるので、そのとき確実にかけるのは大きいですね。

 また、y軸上の点はグラフがちゃんとかけているかをみる際、重要な点となります。

 ぜひ、f(0)、x=0のときのyの値は式の定数項 を覚えて役立ててください。