元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

xと数の大小関係を図示する(1)・基本形

 今日の内容は、不等式から条件を満たすxの範囲を図示する方法です。

 後日の内容で説明しますが、方程式は等式を満たすxの数をピンポイントで答えましたが(x=1とか)、不等式は、条件を満たすxの範囲を答えます。

 その際、不等式の範囲を図(数直線)で表すことが多いので、その表し方です。

 おさえておくべき点は、大きく言って次の2点です。

 ① xは基準となる値より大きいか小さいか(大小関係)

 ② 基準となる数は範囲に入るか入らないか(=があるかないか)

 

 では、図示のもととなる数直線を見てみましょう。

 

 まずは、①の大小関係でおさえておくことです。 

 例えば、3より大きい数を考えてみましょう。

 4とか5ですね。(もちろん3.5のような小数もよいです)

 では、さっきあげた3より大きい数は数直線の右側・左側どちらにあるでしょうか?

 右側ですね。

 ですので、「〇より大きい」数は、数直線では〇より右側にあります。

 同様に考えると、「〇より小さい」数は数直線では〇より左側にあります。

 ここでは、「大きい⇔右側」「小さい⇔左側」という関係をおさえましょう。

 

 次に、②の=があるかどうかについてです。ここは表現方法を覚えます。

 基準の数字を含む、つまり=があれば、●(塗りつぶす)で表します。

 逆に基準の数を含まない、つまり=がなければ、〇(塗りつぶさない)で表します。

 ここでは、「=がある⇔●」「=がない⇔〇」という関係をおさえましょう。

 では、例を見ながら表現の仕方を学びましょう。

  

 見るのは、①大小関係・②=があるかどうかですが、

 図示のときは、まず=があるかどうかを先に見たほうがかきやすいです。

 =がないので、〇を、基準となる数3のところにかきます。

 

 大小関係を見ると、xのほうに不等号が開いているので、xのほうが3より大きいとなります。大きいので、右側に範囲を作ります。(次の図のようになります)

 

 これで答になります。

 もうひとつ、=が入っている例でみてみましょう。

 

 まず、=があるので、●を基準となる数2のところにかきます。

 

 次に、xのほうに不等号が向いてないことから、xが2より小さい(厳密には以下だが、小さいと考える)ので、左に範囲を作ればよいです。

 

 範囲の図示の仕方はわかりましたか?

 ところで、しっかり図を見ていた人は、=のあるとき(●のとき)は、●から垂直方向に線が引かれ、=のないとき(〇のとき)は〇から斜め方向に線が引かれていることに気づいたかもしれません。

 これは、基準となる数が含まれているとき(●のとき)は、その数字も入ってるよということを、●だけでなく線でも示そうということで、垂直方向に引いています。

 逆に、〇のときは、その数字は入っていないよということを線でも示しています。

 とりあえず、今の段階は、●か〇、範囲の向きをしっかり覚えてください。

(練習問題) 次の不等式で表されるxの範囲を、数直線に図示しなさい。

 

 

 (答)

 

 次回、この内容について補足事項を付け加えておきたいと思います。