元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

xと数の大小関係を図示する(3)・〇から△まで

 図示の最終回は、「〇から△まで」のパターンです。

 これまでは「〇より大きい」とか「△以下」とか、基準の数字が1つだけでしたが、今回は2つになります。

 でも、このパターンは割と生活の中で使われています。

 お土産を2000円から2500円までの範囲で買ってとか、

 地域の〇〇大使(昔でいうところのミスコン)に出れるのは18歳以上30歳以下とか。

 また、この「〇から△まで」パターンをしっかり身につけておくと、のちの連立不等式や、整数を絡めた応用問題にも役立ちます。

 基準の数字が2つになっても恐れることはありません。

 これまで述べた次の2つの原則をおさえておけばよいです。

 ① xは基準となる値より大きいか小さいか(大小関係)

 ② 基準となる数は範囲に入るか入らないか(=があるかないか)

 あえていうなら、基準の2つの数自体の大小関係をしっかりおさえておくことが大事です。そこを注意すれば、範囲は間を図示すればいいだけなので、むしろ基準が1個のときよりやりやすいかもしれません。では、例を見てみましょう。

  

 手順を追ってやり方を説明します。なお、今回も数直線の整数を全部書くことはしません。

 ① 基準となる数2と4を数直線上にとります。

    

  4のほうが2より大きいので、4は2の右にかきます。

 (数が大きくなるほど、数直線は右方向へ行く。←原則の①)

 ② =があるかどうかみます。(←原則の②)

  

   2のとなりの不等号には=がついてないので、〇。

   4のとなりの不等号には=がついているので、●。をかきます。

    

 ③ 下図のとおり、2つの数字、2と4を囲むように範囲をとれば完成です。

    

 上図のように、=の入っていない2のところからは、斜めの線(2が範囲に入ってないことの強調)、=が入っている4のところは、数直線に垂直な線(4が範囲に入っていることの強調)をかけるとさらに良いです。

 そこまで気が回らない場合は、まず範囲をしっかりかければよいです。

 なお、今回の例で取り上げた不等式、次のように右のほうが数字が小さくなるかき方は、ないと思っていただいてよいです。

  

 数直線は、右に行くほど数字が大きくなるので、その考え方に反する上のように、左の数が大きくなるかき方はまずありません。

 数学は自然科学に入りますので、やはり原則を守って記述することになります。

 では、練習問題です。

 (練習問題)次の不等式で表される範囲を数直線に示しなさい。

 (答)

   

 範囲の幅はあまり気にしなくてもよいですが、今回は(1)の範囲の幅が3-1=2、

(2)の範囲の幅が2-(-1)=3なので、(2)の範囲の幅を(1)より少し広めにしました。また、今回の練習問題で出てきた4つの数の大小関係も意識させてかきました。

 こういうところも意識してかければ、どんどん解くことができるでしょう。