元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

不等式の性質(1)・等式の性質と似てるところ

 数直線と不等式の表し方をこれまでやってきました。

 しかし、1次不等式を解くには大事な性質、不等式の性質をおさえなくてはいけません。

 この不等式の性質、ほとんど等式の性質と同じです。

 等式の性質は,次の式で表されます。

  

 ざっくり言えば、最初の等式の両辺に同じ数をたしたり、ひいたり、かけたり、わったりしてもイコールのままですよ。ということです。

 なお、4のところに赤のアンダーラインが引かれています。

   ←=に斜め線が入ってる記号がありますね。

 これは「等しくない」ということです。つまり、cは0ではないということです。

 わり算は0で割ることができないのが理由です。

 なお、等式の性質についての詳しい内容は ↓ のブログにも書いてあります。

方程式への準備・等式の性質 - 元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

 

 そして、これから出てくる不等式の性質ですが、

 ほとんどは、等式の性質と似ています。

 ただし、ある条件が出てきたときに大きな違いがあります。

 この違いの話をすると、自分の文力では相当長くなりそうなので、

 今日は、似ているところの話をします。それは、次の式で表されます。

  

 意味は、「両辺に同じ数をたしたりひいたりしても、不等号の向きは変わらない」ということです。

 このことを、傷つく人が少ないであろう桃鉄を使って説明します。(現役時代も使ってました)

 桃鉄は、ゲームでやったことがあるという人もいると思いますが、念のため簡単にルールをいうと、すごろくで日本を回りながら資産を増やしていくゲームです。単純にサイコロを振るだけでなく、サイコロの数を増やせたり相手の邪魔をするカードをうまく使うのが勝利のカギとなります。

 で、A社長が4億円、B社長が6億円持っていたとします。

 4億6億 ですよね。

 ここで、2人とも2億ずつもらったとします。

 A社長:4億+2億=6億、B社長:6億+2億=8億

 すなわち、4億+2億<6億+2億 で、同じだけたしても、B社長のほうが資産が多い。つまり不等号の向きは変わりません。

 今度は、2人とも1億ずつ取られたとします。

A社長:4億ー1億=3億、B社長:6億ー1億=5億

 すなわち、4億ー1億<6億ー1億 で、同じだけひいても、B社長のほうが資産が多い。つまり不等号の向きは変わりません。

 このことから、「同じ数字をたしたりひいたりしても不等号の向きは変わらない」ということがイメージできたと思います。

 ここまでの展開を見て、「もしかして等式の性質と違うのは、かけたりわったりしたとき?」と思った人はいるでしょうか。

 その方は、むっちゃ鋭いです。

 次回はその話です。