元数学教員・奉孝先生の「数学の欠点9割脱出法」

数学がすごく苦手だという高校生に、少しでもテストで点を取れる喜びを味わってほしいと始めました

割り切れるかどうかの見分け方

 前回、素因数分解の前段階として素数を説明しました。

 念のため確認すると、素数とは「2以上の整数で、1とその数自身以外に約数を持たない数」です。

 素数は無限にありますが、特に素因数分解で活用しやすい1ケタの素数、2、3、5、7を覚えておくとよいという話もしました。

 素因数分解では、素数で割り切れるかどうかが分からないと素因数分解ができません。特に、7で割り切れるかどうかは確認しづらいです。

 ですが、2、3,5はポイントをおさえれば、割り切れるかどうかが容易に分かります。まず、2で割り切れる数、5で割り切れる数をみていきます。

 2で割り切れる数は偶数のことなので、一の位の数が偶数(0,2,4,6,8)であればその数は2で割り切れます。したがって、一の位だけ見ればよいです。

 5で割り切れる数も、一の位が0か5であればOKです。「5,10,15,20,…」などと数えたことがある人はイメージしやすいかもしれません。

 そして、3で割り切れるかどうかというのも、実際に割らなくてもある手段を使うことで見つけられます。その方法は、

「各位の数をたした数が3で割り切れたら、もとの数も3で割り切れる」です。

 具体例の51で考えます。(割ったほうが速いじゃんというツッコミはナシで)

 各位の数は5と1なのでこの2数をたします。5+1=6です。

 この6は3で割り切れるので、もとの数51も3で割り切れます。実際に割ると、

 ちゃんと割り切れました。

 2ケタの数だと、ありがたみがないかもしれませんが、3ケタ以上だと活用の範囲が広がると思います。過去にはテスト問題として出題したこともあります。

 ところで、この各位の数を全部たして…という手法は、実は占いの世界で使われています。生年月日の数字を全部たして、2ケタになったらさらに各数をたして、1ケタになるまでたし続ける。その数を「運命数」といって、運命数による運勢を占うというのがあります。例えば、2007年8月21日生まれだとすると、2+0+0+7+8+2+1=20。さらに2+0=2で運命数2って感じです。(なぜこの日かはおいといて)

 では、少し遊びのつもりで、3で割り切れるかどうかを実際に割ることなく判定してみてください。

 (練習問題) 次の数が3で割り切れるかどうかを答えなさい。

 

 (答)